「クーラー」にあたり続けると「血圧」がどうなるかご存じですか?医師が注意点も解説!

「クーラー」にあたり続けると「血圧」がどうなるかご存じですか?医師が注意点も解説!

クーラーの効いた部屋に入ると血圧はどう変化する?メディカルドック監修医が、エアコンによる急変動や夏のヒートショック・高血圧対策を解説します。

大沼 善正

監修医師:
大沼 善正(医師)

昭和大学医学部卒業。昭和大学病院、関東労災病院を経て、現在はイムス富士見総合病院勤務。総合内科専門医、循環器専門医、不整脈専門医、医学博士。

血圧とは?血圧が変化するメカニズム

血圧とは、心臓が血液を全身に送り出すときに、動脈の壁を内側から押す圧力のことです。心臓が血液を送り出す力と、血管の抵抗(血液の流れにくさ)で決まります。心臓が収縮して血液を送り出すときに最も高くなる血圧を「収縮期血圧」、心臓が拡張して次の拍動に備えて血液をためているときに最も低くなる血圧を「拡張期血圧」といいます。温度変化により血圧が変動するのは、おもに自律神経による血管の調節のためです。寒さで交感神経が活性化すると、血管が収縮して血圧が上がります。暑さでは、体温を外に逃がそうとするため血管が拡張し、その結果血圧が下がりやすくなります。

生活の中で血圧が変動する仕組み

血圧は日常生活のなかで日々変動しています。血圧が上がる場合は、寒さ以外に、ストレス、睡眠不足、飲酒があります。また運動中や排尿を我慢しているときにも一過性に血圧が上昇します。下がる場合には、暑さのほか、脱水などがあります。また、急に立ち上がったときや長時間立ち続けたとき、強い緊張や痛みを感じたときには、起立性低血圧や血管迷走神経反射によって血圧が低下することがあります。一例として朝礼や満員電車内などがあげられます。

「血圧」の基準値・異常値

診察室血圧では、収縮期血圧140mmHg以上、または拡張期血圧90mmHg以上の場合に高血圧と判断されます。家庭血圧では、収縮期血圧135mmHg以上、または拡張期血圧85mmHg以上が基準です。収縮期血圧が基準未満でも、拡張期血圧が基準以上であれば高血圧と診断されます。また、拡張期血圧が高くなくても、収縮期血圧が基準以上であれば高血圧です。家庭血圧の高血圧基準(135/85mmHg以上)はⅠ度(135〜144/85〜89mmHg)、Ⅱ度(145〜159/90〜99mmHg)、Ⅲ度(160/100mmHg以上)に分類されます。診察室血圧の高血圧基準(140/90mmHg以上)はⅠ度(140〜159/90〜99mmHg)、Ⅱ度(160〜179/100〜109mmHg)、Ⅲ度(180/110mmHg以上)に分類されます。血圧は測る状況によって左右されるため、通常は1回の測定値だけではなく、繰り返し測定し、判断します。

血圧に異常値であることのリスク

収縮期血圧が180mmHg以上、または拡張期血圧が120mmHg以上で、頭痛、ろれつが回らない、見え方がおかしい、意識がもうろうとする、手足がしびれる、胸痛や胸苦しい感じがあるなどの症状を伴う場合は、高血圧緊急症や脳・心臓疾患の可能性があるため、速やかに救急外来を受診しましょう。血圧が著しく上昇したときに起こる急性の障害として、高血圧性脳症、脳出血、急性心不全、大動脈解離、急性腎障害などがあります。また血圧が高い状態が持続した場合、血管や臓器への障害として、脳梗塞や脳出血、心筋梗塞や狭心症、心不全、慢性腎臓病を起こす可能性が考えられます。高血圧は自覚症状がなく進行することも多いため、症状がなくても定期的に健康診断を受けたり、自宅で血圧を測定したりすることが大切です。

夏はクーラー・エアコンの影響で血圧が急上昇する?

クーラーとは冷房専用機器のことをいいます。エアコンとは冷房・暖房・除湿など様々な機能が付いている空調機器です。冷たい空気に触れると、自律神経である交感神経が活性化し血管が収縮します。血管が収縮すると血管の抵抗があがり、血圧が上昇します。

室内と室外の気温差

暑い屋外では熱を逃すように血管が拡張していますが、冷房が効いた室内に入ると逆に熱を逃さないように血管が収縮します。

冷風が直接体に当たる

顔や首などに冷風が当たり続けると、寒さの刺激で局所の皮膚血管が収縮します。顔などの局所的な冷却でも、反射的に交感神経が活性化することで、末梢血管が収縮して血圧が上昇することがあります。

自律神経の乱れ

暑い屋外と冷房の効いた室内を何度も行き来すると、血管を拡張させたり収縮させたりすることになります。暑い場所では、体内の熱を逃がすために血管が拡張し、冷房の効いた室内では、熱を逃がさないように交感神経が働き、血管が収縮します。寒さの刺激によって血管抵抗が増えると、血圧が一時的に上昇することがあります。このような急激な温度変化を繰り返すことが、血圧が変動させる要因になります。暑さによる発汗や脱水が加わると、頭痛、めまいなどの不調を感じることがあります。

配信元: Medical DOC

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