クーラー使用時の血圧上昇を防ぐ「予防法」
室内外の温度差を5℃以内に保ち、設定温度を27〜28℃にする
室内の設定温度が24℃未満など冷やし過ぎた場合には、血管が収縮して血圧が上がりやすくなります。室内と屋外の温度差を少なくすることで、自律神経への影響を少なくすることができます。設定温度は27〜28℃が目安となります。湿度によって体感温度も変わってくるため、猛暑日や酷暑日などでは、熱中症対策のために冷房を適切に使用し、暑さを我慢しないことも大切です。
風向きを調整する
クーラーの冷風が顔や首、腕などに直接当たり続けると、皮膚が局所的に冷やされることによって、交感神経を介した血管収縮が起こりやすくなります。風向きを天井や水平方向に調整するなど、冷気が直接体に当たらないようにしましょう。また扇風機やサーキュレーターを併用し、室内の空気を循環させると、設定温度を過度に下げなくても、室温のむらを少なくすることができます。
羽織ものを活用する
職場や店舗などで温度調整や風向きを調整できない場合には、羽織もので体の冷えを防ぎましょう。薄手のカーディガンやストール、ひざ掛けなどを使うとよいと思います。
「クーラーと血圧」についてよくある質問
ここまでクーラーと血圧について紹介しました。ここでは「クーラーと血圧」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
夏場に冷房の効いた部屋にいると、血圧が高くなるのはどのような理由からでしょうか?
大沼 善正(医師)
冷房によって体が冷えると、交感神経が活性化し、血管が収縮します。血管が収縮すると血管の抵抗が高まるため、血圧が上昇することがあります。
本来なら血圧が下がりやすい夏でも、血圧が急に上がってしまう原因は何ですか?
大沼 善正(医師)
夏でも暑い屋外から冷房の強く効いた寒い室内に入ったときや、冷房の冷たい風が当たり続けた場合には、寒さの刺激で血管が収縮し血圧が上昇することがあります。
クーラーをつけていて血圧が下がることはありますか?
大沼 善正(医師)
冷房による寒さの刺激で血管が収縮し、一般的には血圧を上昇させる方向に働きます。一方、冷房の効いた室内から暑い屋外に出た場合には、血管が拡張し血圧が下がることはあります。とくに水分をあまりとっておらず脱水傾向があるときや、降圧薬などを内服している場合には、その可能性が高くなります。
クーラーによって血圧が急激に下がったり・上がったりした時に現れる症状とは?
大沼 善正(医師)
血圧が急に下がると、めまい、ふらつき、失神などが起こることがあります。また血圧が上がった場合には多くは無症状ですが、頭痛、めまい、動悸などを感じることがあります。いずれの場合にも、座ったり、横になったりするなど楽な姿勢をとり、休むことが大切です。血圧が下がっているときには、可能なら少しずつ水分をとりましょう。休んでも症状が続いている場合には、クーラーによるもの以外の原因も考えられるため、内科や循環器内科を受診しましょう。ただし、胸痛、息苦しさ、ろれつが回らない、手足に力が入らない、意識がおかしいなどの症状がある場合は、速やかに救急車を要請しましょう。

