胃がん予防に関係? 発症リスクを抑制する「3種の食べ物」
編集部
ピロリ菌の除菌は医学的に予防効果が証明されているのですね。最後に、より身近な対策として、胃がんを予防する食べ物についても教えていただけますか?
舛森先生
胃がん抑制作用のデータが存在する食べ物は3つあります。
1つ目は果物、2つ目が野菜です。ある研究では、果物や野菜を最も食べていたグループは、最も食べていないグループに比べて胃がんのリスクが30〜40%ほど低かったという報告もあります。信頼性の高いメタアナリシス(複数の研究を統合した解析)でも、果物にはリスクを下げる可能性が示唆されています。
なお「柑橘類をあまり食べないほうががんになりにくい」という別の研究も踏まえ、私としては「柑橘類以外の果物」を摂取することをおすすめします。というのも、柑橘類は酸味が強く、過剰に摂取すると胃酸の分泌を促したり胃粘膜を刺激したりする可能性があるためです。
そして3つ目が食物繊維です。食物繊維を一番摂っているグループは、摂っていないグループと比較して胃がんのリスクが42%ほど低下したという報告もあります。
なお、世界がん研究基金(WCRF)の報告では、果物・野菜・食物繊維の有効性に加えて、「塩蔵食品(漬物・塩辛など)」「加工肉」「過度な飲酒」「喫煙」が胃がんリスクを高める要因として指摘されています。減塩を意識することも、胃がん予防の大切な一歩になります。
とはいえ、いきなり食生活をがらりと変える必要はありません。まずは、小腹が空いたときについ手が出がちな高塩分・高カロリーのスナック菓子を避けて、新鮮な果物に変えることから始めてはいかがでしょうか。それだけで、胃がんのリスクを下げられるかもしれません。
編集部まとめ
今回は、舛森先生に胃がんで見逃したくない初期症状と、予防効果が期待できる方法について詳しく解説してもらいました。胃がんは、早期発見できれば5年生存率95%と非常に高くなります。急激に増えるかゆみのある黒いイボ、吐き気や食欲低下、黒い便、みぞおちの違和感といったサインを見逃さないことはもちろんですが、最も重要なのは「無症状の段階で検査や除菌を受けること」です。
ピロリ菌の除菌は、何歳から始めても胃がんリスクを下げる強力な武器になります。小腹が空いたら食物繊維たっぷりの果物をつまむなど日々の生活習慣も見直しながら、未病の段階でリスクを取り除き、生き生きと過ごしていきましょう。

