昔好きだった人に、コップを手で支えず、口からストローを迎えに行く飲み方を、かわいいね、と言われたことをふと思い出す。ひとりで過ごす時間が苦手だったことのひとつに、まさにこんな状況に陥る事が入っていた。
つまり自分の中だけに集中してしまうこと。色々考えてしまうこと。色々思い出してしまうこと。
…なんだ昔好きだった人って(笑)。ちょっとセンチメンタルになる必要もないし、そんな年齢でもないよって自分で自分に言い聞かせる。大事なのは、思い出に浸ることではなく、前に進むこと。
だから新しい情報を頭の中にインプットしにいくのだ。そうして私は携帯を取り出す。
アイスラテをちびちびと飲みながら、携帯で今日上映している映画をチェックする。ちょうど観たかった映画が、ちょうど良い時間に、ちょうど近所の映画館で上映していた。勝った!と思う。誰に?自分に?こんな愚かな自分に勝って、何になるというのだ。また余計なことを考えだしそうだったので、急いでチケットを予約する。朝10時の回だ。
ポップコーン、どうしよう。ポップコーン食べたい。絶対映画にはポップコーンだ。キャラメルと塩バターのハーフにしちゃおうかな!きゃっ!きゃっ!
うきうきしながら映画館に向かって歩き出すと、パツパツのスキニージーンズが悲鳴を上げた。「こ、これ以上は無理でがんす…」ハッとする。そうだ、私は役作りのために減量中なのであった。ありがとう、朝の私。グッジョブ。
ポップコーンの香ばしい香りが漂う映画館のロビーを心を鬼にして通り過ぎる。ひとり時間は自分を甘やかすも、厳しくするも、自分次第。甘やかしすぎるのも、後で反省が待っているし、厳しすぎるのも、辛くなる。その絶妙なバランスをとるのが大切だと思う。

素晴らしい映画を観終わり、ほくほくして帰宅。やはり勝った。誰にでも良い。わたしは勝ったのだ。
お腹が空いたので、いつもひとりの時に食べるお昼ごはんを作る。納豆とキムチを混ぜて、あったかいお蕎麦と混ぜる。とろろ昆布と生卵も乗せちゃおう。めんつゆをかけて完成。ねばねばキムチ蕎麦。
そしてこの器、これも、陶芸教室で作ったもの♪

甘やかしタイムの過ごし方
ご飯ではなく、お蕎麦にすることでヘルシー。キムチがあるからジャンクな満足感もある。卵と納豆でタンパク質も摂れる。なによりおいしい。ふぅ。ごちそうさまでした。
ここからは甘やかしタイム。お昼寝しちゃう!食べてすぐ寝ちゃう!牛になっちゃう!モーモー!ほら、お昼寝はなんか、なんかに良いって誰かも言っていたし、ね?
おやつの時間まで熟睡して、アラームの音でむくりと起き上がる。まだ寝られる。でも起きる。何故ならわたしにはとっておきのおやつがあるのだ。

『NUMBER SUGAR』のキャラメル!
以前、事務所の先輩に教えてもらい、それから表参道に行くたびにちょこちょこ買っては、大切な日に食べるようにして、緊張する大事な仕事の前とか、元気のない日の為に、常備している。今日は食べちゃおう。良い日をもっと良い日にしちゃうんだ。おいしく食べる為に、コーヒーを淹れる。
コーヒーは母に教えてもらった、『加藤珈琲』のしゃちブレンド。淹れたてのコーヒーとお気に入りのキャラメル。目の前に至福がある。至福以外、なにものでもない。キャラメルをかじり、コーヒーをすするとスーッと現実が遠ざかっていく。しあわせだなぁ、って平仮名で感じる。自分の体と心の輪郭がはっきりするのが分かる。
ふと、時計を見ると、もうすぐ娘をお迎えに行く時間。スーッと遠ざかった現実が、ピューッと戻ってくる。
娘はどんな1日を過ごしたのだろう。それと、それを話してくれる娘の姿を想像して、また私はわくわくするのであった。

