クラミジア感染で気をつけたい病気・疾患
ここではメディカルドック監修医が、「クラミジア検査」に関する症状が特徴の病気を紹介します。どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
クラミジア性子宮頸管炎
性器クラミジアが子宮の入口である頸管に感染すると、子宮頸管炎が引き起こされることがあります。無症状で経過することもありますが、おりものが増えたり、不正出血が起こったり、性行為時の痛みが生じるケースもあります。性感染症のため、診断時にはHIV(ヒト免疫不全ウイルス)抗体検査も推奨されています。性行為の後に何らかの症状がある際や、パートナーがクラミジア感染症と診断された際には、婦人科や感染症科・感染症内科などの受診を検討しましょう。治療は抗生物質の内服が基本です。アジスロマイシン(ジスロマック)を1回1日のみ内服する方法や、クラリスロマイシン(クラリス、クラリシッド)を1日2回、7日間内服する方法などがあります。
精巣上体炎
男性が尿道炎を放置しておくと、5%ほどの方で精巣上体炎にまで至ることがあります。熱は出ず、片側の陰嚢の腫れ、痛みなどが生じます。これらの症状があるケースでは、泌尿器科や感染症科・感染症内科を受診しましょう。こちらも抗生剤の内服が治療法となります。
クラミジア性尿道炎
尿道炎は男性の性器クラミジア感染症で多いものの一つです。症状がほとんどないこともありますが、排尿時の痛みや尿道の不快感を感じることがあります。また、尿道から透明な分泌物が出ることもあります。こうした症状がある場合は、泌尿器科や感染症科・感染症内科などを受診するとよいでしょう。治療は女性の場合と同様で、抗生物質の内服が基本となります。
骨盤内炎症性疾患
クラミジアが子宮頸管から子宮、卵管など身体の奥の方に進み、腹腔内に侵入するケースもあります。すると、卵巣や卵管の炎症や、子宮や卵管などの骨盤内の臓器を覆う腹膜に炎症が起こる骨盤腹膜炎が引き起こされます。骨盤腹膜炎は、骨盤内炎症性疾患(Pelvic Inflammatory Diseases;PID)の一つです。ときに下腹部に激痛が起こるケースもみられます。さらに、炎症が強くなると肝臓周囲にまで及ぶことがあります(Fitz-Hugh-curtis症候群)。また、PIDを放置すると、卵管の機能障害や腹腔内の癒着などが起こり、慢性骨盤痛、卵管妊娠や卵管性不妊症の原因ともなります。治療法は子宮頸管炎と同様です。
咽頭クラミジア
クラミジアがオーラルセックスなどで咽頭に感染するものです。子宮頸管からクラミジアが見つかると、無症状の方でも1〜2割の方で咽頭からもクラミジアが検出されます。多くは無症状あるいは軽い咽頭症状にとどまります。
異所性妊娠(子宮外妊娠)
クラミジアによる頸管炎や骨盤内炎症性疾患を発症しなくても、卵管の内腔壁の組織変性を起こすことはあります。この変性が起こることで、受精卵(卵管内で卵子と精子が出会い形成される)を卵管から子宮内腔に移動させることが出来ず、そのまま卵管に受精卵が着床し、卵管妊娠が成立してしまうこともあります。異所性妊娠では卵管妊娠が90%以上であり、治療はほとんどが手術になります。卵管破裂や反復する異所性妊娠となった場合には卵管切除(摘出)する必要もあります。
クラミジア検査が陽性だった場合の治療と注意点
検査を受け、クラミジア陽性と診断された場合は、しっかりと治療を受けることが大切です。
クラミジア感染の治療方法とパートナーと一緒に治療すべき理由
クラミジア感染症の治療は、アジスロマイシンの1回内服や、クラリスロマイシンやミノサイクリンなどを1週間内服します。妊婦の場合は、治療3週間後に再検査を行います。重症の場合には、ミノサイクリンを1日2回、3〜5回点滴し、その後内服に切り替えるという方法がとられます。クラミジア感染症は無症状のまま周囲に広げる懸念があります。そのため、パートナーにも検査を受けてもらうことが望ましいです。万が一パートナーも陽性だった場合は、一緒に治療することが大切です。
クラミジアの治療中に禁止されている行為
治療中から治療後1週間は、感染拡大防止のために性交渉を控えるべきと考えられます。
クラミジア再感染を防ぐための予防法
クラミジア感染は繰り返されることも多いです。そのため、再感染を防ぐためにはコンドーム使用、早期発見早期治療、不特定多数との性交渉は避けることなどが重要です。

