「お腹の調子が悪くて仕事や外出が不安」「下痢や腹痛が繰り返すけど、通院しつづけると費用がかさむのでは」といった不安を感じている方は少なくないのではないでしょうか。
過敏性腸症候群(IBS)は、腸の器質的な異常がないにもかかわらず腹痛・下痢・便秘などの症状が繰り返す病気で、長期にわたることが多いため、月々どれくらいの費用がかかるのかを早めに知っておくことは、治療を続けていくうえでも、家計管理のうえでもとても重要です。
この記事では、IBSと診断された後の外来通院にかかる費用・薬代の目安、費用を抑える方法、利用できる公的制度について解説します。
外来通院でかかる費用の目安
IBSの治療は、基本的に外来通院が中心です。入院が必要になるケースはほとんどなく、症状が安定している時期には月1〜2回の受診で済む方が大半です。ただし、診断の確定には最初に大腸内視鏡検査などで他の疾患を除外することが必要なため、初期の費用がやや高くなります。
以下の表は、健康保険3割負担を前提とした、受診内容や検査1回の自己負担額の目安です。
■ 初診(内科・消化器内科)・自己負担額(3割 ※薬代を除く):2,000〜4,000円程度
・備考:問診・身体診察・血液検査など
■ 再診(安定期通院)
・自己負担額(3割 ※薬代を除く):700〜2,000円程度
・備考:症状確認・薬の処方のみ
■ 腹部X線(単純)
・自己負担額(3割 ※薬代を除く):300円程度
・備考:必要に応じて実施
■ 腹部超音波検査
・自己負担額(3割 ※薬代を除く):1,500〜2,000円程度
・備考:必要に応じて実施
■ 大腸内視鏡検査(除外診断)
・自己負担額(3割 ※薬代を除く):4,000〜10,000円程度
・備考:IBS確定のため他疾患を除外
※上記はあくまで目安です。受診する医療機関や検査内容・投薬内容により異なります。
たとえば初診で血液検査と問診のみの場合、自己負担は約2,000〜4,000円が一般的です。症状が落ち着いている時期の再診であれば1回あたり1,000〜2,000円程度に落ち着くことが多く、月1回の通院であれば年間1〜2万円ほどの受診費用となります。一方で、組織の一部を採取する検査(生検)やポリープ切除を行った場合は、約10,000〜20,000円前後になることがあります。
処方薬の種類と薬代の目安
IBSの治療では、症状のタイプ(下痢型・便秘型・混合型)に応じてさまざまな薬が処方されます。同じIBSでも使う薬が異なるため、薬代の差は大きくなることがあります。
薬代は薬局での自己負担額(3割)で計算しています。月額の目安は、処方日数によって異なります。
■ 高分子重合体(ポリカルボフィルカルシウム)・対象タイプ:下痢・便秘両型
・月額自己負担目安(30日分):約270〜540円程度
■ セロトニン受容体拮抗薬(ラモセトロン)
・対象タイプ:下痢型
・月額自己負担目安(30日分):約750円程度
■ 消化管機能調節薬(トリメブチン)
・対象タイプ:全型
・月額自己負担目安(30日分):約270円程度
■ 抗不安薬・抗うつ薬(少量)
・対象タイプ:重症例・精神的要因強い
・月額自己負担目安(30日分):90〜300円程度
■ 漢方薬(桂枝加芍薬湯など)
・対象タイプ:全型
・月額自己負担目安(30日分):450〜720円程度
※上記はあくまで目安です。受診する医療機関や検査内容・投薬内容により異なります。
症状や種類等によって異なりますが、月の薬代は「調剤基本料」「調剤管理料」「服薬管理指導料」などが加算され、1種類の場合で1,000〜2,000円程度、複数の薬が処方される場合は2,000〜4,000円程度になることもあります。ジェネリック医薬品(後発医薬品)は、先発品と同じ有効成分で同等の効果が認められており、薬代をある程度抑えられるケースもあります。主治医または薬剤師に相談すると、ジェネリックへの変更が可能かどうか確認できます。

