治療を続けることの重要性—放置するとどうなる?
「検査で異常がないと言われたから」と受診をやめてしまう方も少なくありません。しかし、IBSを放置すると症状が悪化し、仕事・外出・人間関係に支障をきたすQOL(生活の質)の低下が起きることがあります。
また、うつ病や不安障害を合併するリスクが高まることも知られており、その場合は心療内科・精神科への通院が加わり、医療費が増える可能性があります。重症の場合は新薬の併用や心理療法の頻回実施、または精神科・心療内科との並行通院することで、通院頻度も不定期となり、金額が上がる可能性があります。(下表参照)
■ 軽症(安定期)・通院頻度:月1〜2回
・月額費用目安(3割):2,000〜4,000円程度
・特徴:薬代込み。生活指導中心
■ 中等症(症状あり)
・通院頻度:月2〜4回
・月額費用目安(3割):5,000〜10,000円程度
・特徴:複数薬・心理療法・心療内科の受診費などを含む
■ 重症(QOL低下)
・通院頻度:不定期
・月額費用目安(3割):10,000〜20,000円超
・特徴:専門医受診・各種検査・精神疾患合併による並行通院費を含む
※上記はあくまで目安です。受診する医療機関や検査内容・投薬内容により異なります。
早期に適切な治療を継続することが、長期的な費用を抑えることにも直結します。症状が続く場合は消化器内科や心療内科への受診を検討してください。
編集部まとめ
IBSの通院・薬代の月額費用は、症状が安定している時期であれば2,000〜4,000円程度が一般的です。症状が重くなるほど費用は増加しますが、公的制度の活用とジェネリック医薬品の利用で負担を抑えることが可能です。
外来1回の自己負担は再診で700〜2,000円程度、初診・検査時は2,000〜10,000円程度が目安
1種類の場合で1,000〜2,000円程度、複数の薬が処方される場合は2,000〜4,000円程度になることもあるが、ジェネリックへの切り替えで費用を削減できる可能性がある
高額療養費制度・医療費控除・セルフメディケーション税制を状況に応じて活用する
精神疾患を合併している場合は自立支援医療制度で自己負担が1割に軽減される場合がある
費用面の不安は、医療ソーシャルワーカーへの相談で解決できることが多い
IBSと診断されたら、主治医や医療ソーシャルワーカーに費用の見通しや利用できる制度を早めに確認することが大切です。「検査で異常なし」と言われても症状が続く場合は、遠慮なく医師に相談してみましょう。費用の見通しが立つだけでも、治療は続けやすくなります。
※本記事の情報は2026年6月時点のものです。医療費・制度の内容は変更となる場合があります。個別の費用については医療機関または各窓口にお問い合わせください。
参考文献
令和6年度診療報酬改定について
日本消化器病学会:『機能性消化管疾患診療ガイドライン2020—過敏性腸症候群(IBS)』

