心筋梗塞を発症しやすい人の特徴

心筋梗塞を発症しやすい人は、動脈硬化を起こす要因を持っている人に加えて、以下のような人が特徴です。
動脈硬化リスクの高い人
高血圧、脂質異常症、糖尿病・肥満などは動脈硬化を起こしやすく、心筋梗塞のリスクが高くなります。
食事療法、運動療法はもちろんのこと、必要に応じて適切な薬物療法を行います。
家族性高コレステロール血症
生まれつきLDLコレステロールが高いため、動脈硬化が進行しやすく、心筋梗塞などの動脈硬化性疾患を起こしやすくなる病気です。自覚症状はありませんが、アキレス腱や皮膚にコレステロールがたまる黄色腫などが見られることがあります。レントゲンでアキレス腱の厚さを計測することが診断の手がかりになります。
家系の中で約50%の確率で遺伝するとされています。LDLコレステロール180mg/dL以上を指摘され、家族にもコレステロールが高い人がいる方は医療機関を受診しましょう。早期に薬物治療を開始することで、動脈硬化の進行を予防できます。
家系内に心筋梗塞を起こした方がいる
遺伝的な要因でも心筋梗塞を発症しやすくなります。男性では55歳未満、女性では65歳未満で心筋梗塞や狭心症を起こした方がいると、遺伝的なリスクが高くなる可能性があります。これは家族性高コレステロール血症とは別の、遺伝子の個人差のようなもの(コモンバリアント)によるものです。
遺伝的な要素があっても、動脈硬化因子の治療により、心筋梗塞の発症を予防することができます。高血圧、脂質異常症、糖尿病・肥満の治療や適切な飲酒、禁煙が大切です。
喫煙
タバコは、動脈硬化を進行させる大きな危険因子です。1日に吸う本数が多ければ、その分冠動脈疾患を発症する可能性が高くなり、1日1本だけでもその影響はあるとされています。
新型タバコに関しても、心臓や血管への悪影響が懸念されています。
喫煙により冠攣縮性狭心症も誘発されることがあるため、狭心症や心筋梗塞の予防のためにも、禁煙することが大切です。
慢性炎症・自己免疫疾患
慢性的な炎症がある病気も心筋梗塞などの冠動脈疾患のリスクを高めるとされています。病気としては、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、乾癬・乾癬性関節炎、炎症性腸疾患、HIV感染症などがあります。
これらの病気のある方では、胸の痛みや圧迫感、息切れ、冷や汗などの症状が現れた場合には、様子見をせずに循環器内科を受診しましょう。
心筋梗塞の予防法

食事・運動療法が一番の予防法ですが、そのほかにも気をつけるべきことがあります。
栄養・食事療法
高血圧、脂質異常症、糖尿病・肥満などの生活習慣病に対しては、まずは食事療法が重要です。薬で治療している場合でも、栄養バランスを整えることで、より治療の効果を向上させることができます。以下のポイントを、出来る範囲で取り入れてみてください。
適正な体重を目安に、摂取エネルギーを調整しましょう。
塩分は6g/日未満を目安にします。
脂の多い肉や加工肉を控えるようにしましょう。バター、ラード、ココナッツ油などは飽和脂肪酸を多く含むため、これらを使った食品の摂取過剰に注意しましょう。
マーガリン、ショートニング、ファットスプレッドが入ったお菓子や揚げ物はトランス脂肪酸を多く含むため、摂りすぎに注意しましょう。
魚の油にはn-3系多価不飽和脂肪酸が多く、動脈硬化予防作用が期待できるため、積極的に摂取しましょう。
LDLコレステロールが高い方では、卵の食べ過ぎにも注意が必要です。卵は1日1個程度がお勧めです。
麦飯、玄米、雑穀類は食物繊維が多く含まれており、積極的に摂取しましょう。
野菜、海藻、大豆・大豆製品を積極的に摂取しましょう。果物は糖質の少ないものを適量にしましょう。
ナッツ類は不飽和脂肪酸や食物繊維を含みますが、カロリーも高いため、食べすぎに注意しながら取り入れましょう。
運動
有酸素運動を中心に、早歩き程度の中等度以上の運動を、できれば毎日30分以上、少なくとも週に3日行うことが推奨されています。また座り続ける時間が長いと、心血管疾患や死亡リスクが増加すると報告されています。長時間座ったままの状態でいることは避け、こまめに立ち上がったり、少しでも体を動かしたりすることが大切です。厚生労働省は、健康づくりのための運動の目安として1日8000~10000歩を推奨しています。
禁煙
まったくタバコを吸わない人の冠動脈疾患リスクを1とした場合、タバコを1日1本吸うだけで、冠動脈疾患リスクが約1.65倍に増加すると報告されています。
そのため、禁煙することが心筋梗塞の予防として、重要な対策と考えられています。
完全な禁煙を継続できると、喫煙を継続した場合に比べて、禁煙してから5年ほどで冠動脈疾患リスクが4~5割ほど低下することが示されています。
なお、禁煙後の体重増加で逆に冠動脈疾患リスクが増えるのではないかと心配されていましたが、近年の研究では、その懸念は否定されています。そのため現在では、禁煙後の体重増加は、禁煙による心臓や血管を守る効果を打ち消すものではないと考えられています。
季節・気温
寒さや暑さなどの急激な気温の変化は、心筋梗塞を誘発することがあります。とくに冬の寒さは、心血管疾患のリスクを高めます。
寒い時期のリビング、トイレ、脱衣所、浴室の寒暖差を小さくすることが大切です。脱衣所やトイレにはヒーターをつけるなどの対応をし、外出の際には重ね着や防寒具で寒さ対策を行うなど、体温の調整を心がけましょう。

