心不全の終末期と緩和ケア

心不全が進行すると、息苦しさや倦怠感、不安などが強くなることがあります。緩和ケアは終末期だけのものではなく、つらい症状を和らげ、本人らしい生活を支えるためのケアです。ここでは、心不全の終末期と緩和ケアについて解説します。
つらい症状を和らげる緩和ケア
心不全の緩和ケアでは、呼吸困難、倦怠感、痛み、不安などを和らげることを目指します。利尿薬や酸素療法、呼吸を楽にする姿勢の工夫、必要に応じた薬物療法などを組み合わせます。
緩和ケアは、治療をやめることと同じではありません。心不全の治療を続けながら、苦痛を軽くする支援を同時に行うことができます。
本人の意思を大切にする話し合い
心不全が進行している場合は、本人がどこで過ごしたいか、どのような治療を望むか、などを早めに話し合っておくことが大切です。
このような話し合いは、状態が悪くなってからでは難しいことがあります。本人が意思を伝えられるうちに、家族、主治医、看護師、ケアマネジャーなどと共有しておくと、いざというときの判断に役立ちます。
高齢者の心不全についてよくある質問
ここまで高齢者の心不全で肺に水がたまる症状や治療などを紹介しました。ここでは高齢者の心不全についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
肺に水がたまると必ず命に関わりますか?
居倉 宏樹医師
必ずすぐに命に関わるとは限りません。利尿薬や低酸素に対する酸素投与などの治療で改善する場合があります。
ただし、肺に水がたまる状態は、心不全が悪化しているサインです。強い息苦しさ、横になれない、冷や汗、意識がぼんやりする、唇の色が悪いなどがある場合は、救急受診が必要です。
軽くみえても悪化することがあるため、早めに医師へ相談しましょう。
自宅で過ごすことはできますか?
居倉 宏樹医師
状態が安定し、必要な医療や介護の支援が整えば、自宅で過ごせる場合があります。訪問診療、訪問看護、訪問リハビリ、介護サービス、在宅酸素療法などを組み合わせることがあります。
一方で、強い呼吸困難、頻回の急変、家族だけでは対応が難しい症状がある場合は、入院や施設での療養が必要になることもあります。

