ロキソニンとカロナールの違いは? 「痛み止め」の副作用・危険な飲み方・使い分けを医師が徹底解説

ロキソニンとカロナールの違いは? 「痛み止め」の副作用・危険な飲み方・使い分けを医師が徹底解説

カロナールの注意点:肝臓への負担と子ども・妊婦の服用

カロナールの注意点:肝臓への負担と子ども・妊婦の服用

編集部

カロナールは「マイルドで副作用のリスクが低い」とのことでしたが、注意点はないのでしょうか?

舛森先生

注意点を挙げるなら、「肝障害」です。カロナールは肝臓で代謝されるので、飲みすぎると肝臓に負担がかかります。

肝障害には大きく2つあります。1つ目が飲みすぎたときに起こる「中毒性肝障害」で、比較的多くみられます。一度に大量に飲んだり、比較的多い量を長期間飲み続けたりすることで起こります。

2つ目がアレルギーによって起こる「アレルギー性肝障害」です。飲む量に関わらず肝障害が出るのが特徴で、中毒性に比べて少ないとされています。

編集部

肝臓ではどんなことが起きているのですか?

舛森先生

薬が効いている間、肝臓はずっと代謝のために頑張ってくれています。しかし処理しきれないほどのカロナールが送られると、肝臓から有害物質が出てきて、体にダメージが加わる――。そんなイメージです。吐き気や体のだるさ、白目が黄色みを帯びる「黄疸(おうだん)」、尿の色がいつもより濃いオレンジっぽくなる、といった症状はそのサインですので、用法・用量は必ず守ってください。特にお酒を飲む人は要注意です。お酒も肝臓で代謝されるため、カロナールを飲むときは必ずお酒を我慢してください。

編集部

実際に飲み過ぎた患者さんがいたのですか?

舛森先生

テスト前にとにかく熱を下げたくて大量にカロナールを飲んでしまい、肝臓に負担がかかって逆にだるくなり、黄疸まで出てしまった患者さんがいました。カロナールは使い勝手のよい薬ですが、こうした思わぬ落とし穴もあることに注意が必要です。

編集部

子どもの場合はどうでしょうか?

舛森先生

子どもの熱に対しては、カロナールの方が比較的副作用のリスクを抑えられます。市販の子ども用解熱剤にも、カロナールが含まれていることが多いですね。ロキソニンを子どもに出すことは原則としてありません。副作用が出やすいことに加え、インフルエンザのときに一部のNSAIDsを使うと、インフルエンザ脳症を悪化させる可能性が指摘されているためです。

編集部

妊娠中の人はいかがですか?

舛森先生

妊娠中の痛みや発熱にもカロナールが使われます。ロキソニンは妊娠28週以降の人には原則として使用できません。妊婦さんが飲むと、お腹の中の赤ちゃんの血管を収縮させてしまい、深刻な影響を与えることがあるからです。

また、出産後、授乳中の人も注意が必要です。妊娠している、もしくはその可能性があるときは、自己判断で薬を選ばず、必ず医師や薬剤師に相談して薬を選んでください。

どちらを飲むべき? 症状と体質に合わせた「使い分け」のポイント

どちらを飲むべき? 症状と体質に合わせた「使い分け」のポイント

編集部

子どもや妊娠中、授乳中の人はカロナールを選んだほうが良いことは分かりました。それ以外の人は実際のところ、どちらを選べばよいのでしょうか?

舛森先生

コツは、炎症の有無やその程度で使い分けることです。痛んでいる部分が腫れている、熱を持っているなどの炎症を伴う強い痛みには、ロキソニンが適切と考えます。より具体的には関節リウマチによる関節痛、痛風発作の足指の痛み、打撲や捻挫の痛み、歯ぐきの鋭い痛みなどです。

編集部

では、カロナールが向くのはどんなときですか?

舛森先生

先ほどの例とは逆に、あまり炎症を伴わないタイプの痛みです。具体的には、筋肉の緊張から来る「緊張型頭痛」、鈍痛程度の月経痛(生理痛)、風邪をひいたときの発熱などには、カロナールが処方されることが多いですね。ただ、生理痛はそもそも痛みの原因が炎症であるため、痛みの程度が強い生理痛にはロキソニンを飲むのも理にかなった選択です。しかし、月経のたびにロキソニンを飲む必要があるなら、子宮や卵巣に異常がないか、月経困難症として低用量ピルを飲んだほうがよいかを婦人科で相談することをお勧めします。

編集部

緊張型頭痛にはカロナールが向くとのことですが、片頭痛はどうでしょうか?

舛森先生

片頭痛には両方使われることがあります。そこまで強くない痛みなら最初はカロナール、それでも効かなければロキソニンです。また片頭痛で重要なのは、何を飲むかよりも「いかに早い段階で飲むか」です。外出の際も携帯しておき、「頭痛が来た」と思ったらすぐに薬を飲みましょう。飲む量が増えてしまうと先ほど述べた副作用につながることもあるので、そのような場合は片頭痛を専門とする病院を受診し、片頭痛に特化した薬を使うのも1つの手段です。

編集部

そのほかに使い分けのポイントはありますか?

舛森先生

個々人の体の状態に合わせて選ぶことです。胃腸が弱い人やすでに胃炎などがある人、腎機能が低下していると言われている人は、ロキソニンは使いづらいのが実情です。さらに、アスピリン喘息のある人、お子さんや妊娠中・妊娠の可能性がある人も、カロナールが比較的使いやすいでしょう。

飲み合わせにも注意が必要です。抗凝固薬(血液をサラサラにする薬)を飲んでいる人がロキソニンを併用すると、その作用を強めてしまったり、胃腸障害が起こったときに血が止まらなくなったりすることがあるので、服用前に必ず医師に相談してください。

配信元: Medical DOC

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