費用を抑えるためにできること
関節リウマチの治療費は高額になりがちですが、いくつかの方法で実際の自己負担を大幅に減らすことができます。
■ 高額療養費制度(こうがくりょうようひせいど)・限度額適用認定証(げんどがくてきようにんていしょう)を利用する
高額療養費制度とは、1か月に支払った医療費の自己負担額が一定の上限を超えた場合、超えた分を払い戻してもらえる制度です。たとえば、生物学的製剤の薬代などで医療費の総額が100万円かかった月の場合、そのまま3割負担すると窓口で30万円の支払いになります。しかし高額療養費制度があることで、一般的な所得の方(年収約370〜770万円)であれば月の自己負担上限は約87,430円に抑えられます。生物学的製剤を使用している方は毎月この上限に達することが多く、毎月同じ上限額を払い続けるかたちになります。さらに、同じ12か月以内に4回以上上限に達した場合(多数該当)は、4回目以降の上限額がさらに引き下げられます。
マイナンバーカード(マイナ保険証)でオンライン資格確認をすると自動で自己負担限度額が適用されるため、高額療養費の申請は原則不要で、窓口での支払いが自己負担限度額までに抑えられます。
ただし、資格確認証を使用している場合や多数該当になる場合は「限度額適用認定証」の取得申請が必要となります。事前に「限度額適用認定証」を取得して医療機関に提示しておくと、医療機関の窓口での支払いを最初から限度額にとどめることができます。申請窓口は、会社員の方は勤務先の健康保険組合または全国健康保険協会(協会けんぽ)、自営業・無職の方は居住地の市区町村窓口です。
なお、高額療養費制度の自己負担上限額は、2026年8月から段階的に引き上げられる予定です。長期の通院が見込まれる場合は、受診時点での最新の上限額を医療機関や加入先の窓口で確認しておくと安心です。
■ 付加給付制度(ふかきゅうふせいど)を確認する
大手企業などの健康保険組合(組合保険)に加入している場合、付加給付制度として「1か月の医療費自己負担が2万円を超えた分を払い戻す」といった独自の上乗せ制度がある場合があります。会社の人事・総務担当者や健康保険組合に確認してみましょう。
関節リウマチで使える公的制度
■ 悪性関節リウマチの場合は指定難病医療費助成制度の対象
一般的な関節リウマチは指定難病の対象外ですが、「悪性関節リウマチ」と診断された場合は指定難病に認定され、医療費助成制度を利用できます。悪性関節リウマチとは、血管炎などの関節外症状を伴う重症型のリウマチです。対象となる場合は保健所に申請し、自己負担上限額をさらに引き下げることができます。申請窓口は居住地の保健所です。
■ 介護保険制度(かいごほけんせいど)
関節リウマチは、介護保険法の「特定疾病」に定められており、40歳以上であれば要支援・要介護認定を受けることができます。通常は65歳以上が対象ですが、関節リウマチの方は40歳から申請が可能です。認定を受ければ、訪問介護・訪問リハビリ・福祉用具のレンタルなどのサービスを1〜3割の自己負担で利用できます。申請窓口は居住地の市区町村の介護保険担当課です。
■ 身体障害者手帳と障害者医療費助成
関節の変形や機能障害が重度の場合、身体障害者手帳の取得が可能な場合があります。手帳を取得すると、障害の程度に応じた医療費助成や税の減免を受けられることがあります。自治体によって対象等級が異なるため、居住地の市区町村の福祉窓口に相談することをお勧めします。
■ 医療費控除(いりょうひこうじょ)による税負担の軽減
年間に支払った医療費が10万円(または所得の5%)を超える場合、確定申告で医療費控除を申請することができます。薬代・交通費(通院のための公共交通費)なども対象になります。申請窓口は居住地の税務署です。毎年の領収書は必ず保管しておきましょう。

