【息切れ・咳と治療費】毎月の吸入薬で損してない?肺の病気のリアルな通院費と公的制度

【息切れ・咳と治療費】毎月の吸入薬で損してない?肺の病気のリアルな通院費と公的制度

「息切れが続いているけれど、通院費はどのくらいかかるのだろう」「吸入薬は高いと聞いたが、実際の負担額が心配」といった不安を感じている方は少なくないのではないでしょうか。

COPD(慢性閉塞性肺疾患)は、主に長年の喫煙によって肺に慢性的な炎症が起こり、息切れや咳・痰が続く病気です。一度損傷した肺の機能は完全には回復しないため、長期にわたる通院と薬物療法が必要になることが多く、月々の医療費を早めに知っておくことは、治療を続けていくうえでも、家計管理のうえでもとても重要です。

この記事では、診断直後から安定期の外来費用、重症度別の治療費の目安、費用を抑えるための公的制度について解説します。


松本 学

監修医師:
松本 学(きだ呼吸器・リハビリクリニック)

兵庫医科大学医学部卒業 。専門は呼吸器外科・内科・呼吸器リハビリテーション科。現在は「きだ呼吸器・リハビリクリニック」院長。日本外科学会専門医。日本医師会認定産業医。


加藤隆之

事務長さぽーと株式会社代表取締役
加藤隆之(中小企業診断士・MBA)

急性期病院の経営改善コンサルを経て、事務長として病院運営や立ち上げに従事。さらに医療M&A分野での経験を有する。現在は、病院・企業の経営支援に加え、事務職の育成や講演・執筆活動にも取り組んでいる。

1. 安定期外来での治療費の目安

COPDと診断された直後から、定期的な外来通院が始まります。安定期(症状が比較的落ち着いている時期)であれば、月1回程度の通院と吸入薬の処方が基本です。

以下は、内科・呼吸器科クリニックに月1回通院した場合の費用目安です。日本の公的医療保険では、医療費の自己負担割合は70歳未満で原則3割、75歳以上で原則1割です(所得等により異なります)。たとえば医療費が10,000円の場合、3割負担なら自己負担は3,000円となります。

■ 内科・呼吸器科 再診(月1回)
・3割負担(目安):約400〜500円
・1割負担(目安):約130〜200円
■ スパイロメトリー(呼吸機能検査)
・3割負担(目安):約560~920円程度
・1割負担(目安):約190~310円程度
■ 胸部X線
・3割負担(目安):約630円程度
・1割負担(目安):約210円程度
■ 吸入薬(LAMA単剤)
・3割負担(目安):約1,100〜1,300円
・1割負担(目安):約400〜450円
■ 吸入薬(LABA/LAMA配合剤)
・3割負担(目安):約1,450〜1,650円
・1割負担(目安):約500〜550円
■ 月合計(LAMA単剤の場合)
・3割負担(目安):約2,000〜3,600円
・1割負担(目安):約700〜1,200円

※上記はあくまで目安です。受診する医療機関や検査内容・投薬内容により異なります。

吸入薬はCOPD治療の中心です。LAMA(ラマ、長時間作用性抗コリン薬)とは、気管支を広げて息苦しさを軽減する吸入薬のことで、COPDの第一選択薬として広く使われています。症状や重症度によっては、LABA(ラバ、長時間作用性β2刺激薬)との配合剤に変更されることもあり、その場合は薬代が上がります。

2. 重症度別に見る治療費の違い

COPDの重症度は「GOLD分類(ゴールド分類)」と呼ばれる国際基準で、A・B・Eの3グループに分けられます。これは症状の強さと増悪(悪化)の回数を指標に判定されます。重症度が上がるほど治療内容が複雑になり、月々の費用も増加します。

■ A
・症状:少ない
・増悪:少ない
・主な治療内容:LAMA単剤
・月額目安(3割):約2,000〜3,600円
■ B
・症状:多い
・増悪:少ない
・主な治療内容:LABA/LAMA配合剤
・月額目安(3割):約2,400〜4,000円
■ E
・症状:多い or 少ない
・増悪:多い
・主な治療内容:LAMA+ICS/LABA(吸入ステロイド)
・月額目安(3割):約3,500〜5,500円

※上記はあくまで目安です。受診する医療機関や検査内容・投薬内容により異なります。

GOLD分類のB・Eグループに分類された場合、低酸素血症も診断されることがあり、在宅酸素療法(HOT、ほっと)が必要になることがあります。これは、自宅に酸素濃縮装置を設置し、常時または一定時間、酸素を吸入する治療法です。機器のレンタル料と指導管理料が加算されるため、月額費用が大きく増加します。

■ 在宅酸素療法指導管理料
・月額(3割負担):約7,200円
■ 酸素濃縮装置加算
・月額(3割負担):約12,000円
■ 携帯用酸素ボンベ加算
・月額(3割負担):約2,640円
■ 在宅酸素療法材料加算
・月額(3割負担):約300円
■ 月合計(診察代含む・薬代別)
・月額(3割負担):約22,140円

※上記はあくまで目安です。受診する医療機関や検査内容・投薬内容により異なります。

配信元: Medical DOC

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