3. 費用を抑えるためにできること
COPDは長期管理が必要な病気ですが、以下の方法で月々の負担をある程度軽減できます。
■ かかりつけ医・地域包括ケアとの連携
大学病院などの大きな医療機関よりも、かかりつけのクリニックで定期管理を受けた方が、診察料の負担が少なくなることがあります。安定期であれば、地域の呼吸器科・内科クリニックへの転院を主治医に相談してみましょう。
■ 禁煙による病気の進行抑制
喫煙はCOPDを悪化させる最大の要因です。禁煙することで肺機能の低下速度を遅らせることができ、将来の重症化による費用増大を防ぐことにつながります。禁煙治療も保険適用となっており、ニコチン依存症と診断されれば12週間の禁煙治療が3割負担で受けられます。
4. 知っておきたい公的制度
COPDの治療では、長期間にわたる医療費がかかります。日本には費用負担を軽減するための公的制度が複数あります。主なものを以下にまとめました。
■ 高額療養費制度・内容:月の医療費自己負担が上限額を超えた分を後から払い戻す制度
・申請窓口:加入している健康保険(協会けんぽ・健保組合・国民健康保険など)
■ 身体障害者手帳(呼吸機能障害)
・内容:一定の基準を満たした重症COPDに認定。医療費助成・税金控除などの優遇あり
・申請窓口:市区町村の福祉担当窓口
■ 介護保険(40歳以上)
・内容:COPD重症の場合、介護認定を受けることで訪問リハビリ等のサービスが利用可能
・申請窓口:市区町村の介護保険担当窓口
■ 高額療養費制度(こうがくりょうようひせいど)
1か月に支払った医療費の自己負担が一定の上限額(所得に応じて異なる)を超えた場合、超えた分が後から払い戻される制度です。たとえば年収約370万〜770万円の方(69歳以下)の上限は月約80,100円+αです。入院や検査が重なる月は特に有効です。
マイナンバーカード(マイナ保険証)でオンライン資格確認をすると自動で自己負担限度額が適用されるため、高額療養費の申請は原則不要で、窓口での支払いが自己負担限度額までに抑えられます。
ただし、資格確認証を使用している場合は「限度額適用認定証」の取得申請が必要となります。事前に「限度額適用認定証」を取得して医療機関に提示しておくと、医療機関の窓口での支払いを最初から限度額にとどめることができます。申請窓口は、会社員の方は勤務先の健康保険組合または全国健康保険協会(協会けんぽ)、自営業・無職の方は居住地の市区町村窓口です。
なお、高額療養費制度の自己負担上限額は、2026年8月から段階的に引き上げられる予定です。長期の通院や入院が見込まれる場合は、受診時点での最新の上限額を医療機関や加入先の窓口で確認しておくと安心です。
■ 身体障害者手帳(呼吸機能障害)
COPDが重症化し、一定の基準(動脈血ガス値など)を満たした場合、「呼吸機能障害」として身体障害者手帳の交付を受けられることがあります。取得すると医療費の助成(自治体による)、税金の控除、公共交通機関の割引など、さまざまな優遇が受けられます。申請は市区町村の福祉担当窓口で行います。
■ 介護保険(かいごほけん)
40歳以上でCOPDが重症化した場合、「特定疾病」として要介護認定を受けられる可能性があります(40〜64歳は特定疾病のCOPDが対象)。認定を受けると、訪問リハビリテーションや訪問看護などのサービスが1〜3割負担で利用できます。申請窓口は市区町村の介護保険担当窓口です。

