5. 放置・悪化した場合にかかる費用
COPDは適切に治療を続けていれば、安定期を長く保つことができます。しかし治療を中断したり放置したりすると「急性増悪(きゅうせいぞうあく)」と呼ばれる突然の悪化が起きやすくなります。急性増悪とは、感染症などのきっかけで息切れや咳が急激に悪化する状態のことで、入院が必要になるケースも多くあります。
急性増悪による入院では、1入院あたりの費用(3割負担)が100,000〜300,000円以上になることもあります。重篤な場合はICU(集中治療室)管理や人工呼吸器管理が必要になり、費用はさらに増加します。高額療養費制度が適用されるとはいえ、入院のたびに上限額の自己負担が生じることを考えると、定期通院による安定管理が経済的にも重要です。
また、COPDは肺だけでなく心臓や骨格筋にも影響を与え、心不全や骨粗鬆症(こつそしょうしょう)などの合併症が起きることがあります。合併症が加わると治療薬・検査が増え、月々の費用が2〜3倍になることも珍しくありません。
編集部まとめ
COPDの治療費は、軽症であれば月2,000〜3,600円程度(3割負担)ですが、重症化するにつれ大幅に増加します。在宅酸素療法が必要になる最重症では月26,000〜28,000円程度になることもあります。治療費の負担を軽減するためには、公的制度の活用と早期診断・継続治療が鍵です。
安定期(軽症)の外来費用は月約2,000〜3,600円(3割負担)が目安。
重症度(GOLD分類)に応じて吸入薬の種類や量が増え、月額も上昇する。
高額療養費制度を活用すると、月の自己負担に上限が設けられる。
重症化した場合、身体障害者手帳・介護保険により費用を軽減できる。
急性増悪による入院は高額になるため、定期通院による安定管理が費用面でも有効。
費用面の不安は、医療ソーシャルワーカーへの相談で解決できることがある。
COPDと診断されたら、治療の内容と同時に「費用の見通し」についても早めに主治医や医療ソーシャルワーカーに確認することが大切です。費用の見通しが立つだけでも、治療は続けやすくなります。
高額療養費制度の申請方法や、障害者手帳の取得条件など、手続きは複雑に感じるかもしれませんが、窓口のスタッフや医療ソーシャルワーカーに相談すれば一緒に確認してもらえます。遠慮なく聞いてみましょう。
※本記事の情報は2026年6月時点のものです。医療費や制度の内容は変更される場合があります。実際の費用については、医療機関や各窓口にご確認ください。

