アニメやグッズで爆発的な人気を誇る「ちいかわ」。その劇場版『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』が公開され、各地の劇場は大盛況だ。しかし現在、SNS上では、一部の観客による「映画館マナーの悪さ」をめぐって困惑と憤りの声も広がっている。
夏休み期間ということもありファミリー層の来場も多い本作だが、Xで特に注目を集めているのは、スクリーンの「盗撮」といった犯罪行為の目撃談や、「大人世代」によるマナー違反の数々だ。
劇場内で「盗撮」発見、通報もむなしく…
話題の発端となったのは、あるXユーザーによる具体的な報告だ。「映画ちいかわ」の2回目の鑑賞に訪れたそのユーザーは、前の席の観客がスマートフォンを取り出し、スクリーンを写真や動画で撮影している現場に遭遇。画面の光による迷惑行為であり、かつ明確な犯罪行為でもあるため、上映中にもかかわらず劇場外へ出てスタッフに「通報」したという。
しかし、対応したスタッフからは「今はスマホをしまっているようなので様子を見る」と告げられ、数分後にはスタッフもスクリーン内から退出。結局、その観客はその後も堂々とエンディングまで撮影を続け、そのまま何のお咎めもなく帰ってしまった。勇気を出して行動した側が不快な思いをし、映画に集中できないまま損をするという結末を迎えたこの体験談は広く拡散され、6万件を超える「いいね」を集めた。
ネット上では、この現場の対応の甘さに対する怒りとともに、別のユーザーからも「スマホの明かりを消した状態でシャッター音を響かせながら盗撮する客がいた」といった生々しい目撃談が相次いで寄せられている。
マナー違反に観客が抱える“2択”のジレンマ
この盗撮の話題をきっかけに、議論の対象は映画館のシステムそのものに波及。特に「ルール違反に気づいた観客自身が、上映中に席を立って報告しなければならない」状況に対し、負担やリスクが大きすぎるとして「各座席に通報ボタンをつけてほしい」といった意見に多くの共感が集まった。
「見てる途中で抜けたくないし、勘違いかもしれないし、逆恨みされるかもしれない。たくさんのリスクを抱えてまで通報したくない」
「映画泥棒もそうだし、お喋りとか座席蹴りの客もそうだけど、対処するたびに席を立たなきゃならないのがな……。不快感を抱えて我慢したまま待ちに待った作品を観るのか? いったん観るのを諦める覚悟でスタッフを探すのか? という2択を迫られるのがつらい」
「そもそも不正してない自分がスクリーンから出てわざわざ店員呼び言って(映画を)見れない時間があるのも腹立つ」
上映前のマナームービーでどれだけ厳しくルール違反や犯罪行為を啓発しても、実際に起こった際の対処は「観客の自己犠牲と善意」に依存しているのが現状だ。「あのムービーは通報を期待しているのではなく、周りの観客が潜在的な通報者だと思わせる心理的プレッシャー(抑止力)のためのものだろう」という分析に納得の声が上がる一方で、実効性のある防犯カメラの強化や、スタッフの常駐など、興行側のアップデートを求める声も強まっている。

