函館で行われた『がんを知る教室』。
多くの方に「YouTubeで見ました」「放送を見ました」と声をかけていただき、ありがたいなと思った函館での貴重な時間。地域づくりを学ぶ北海道教育大学の川瀬真心(かわせ・まこ)さんと、土山結桜(つちやま・ゆら)さんをお迎えして、どうすれば『がん啓発』できるのか、を考えました。患者の揺れ動く心、家族の葛藤、そして支える側の在り方。これらを皆さんと共に考え、未来へ繋ぐ一助になれば。

がんを取り巻く「今」を知る:クイズで学ぶ細胞の真実
いつも講演ではクイズを出します。人間の細胞の数と、毎日生まれるがん細胞の数は? 私たちの体はおよそ37兆個の細胞でできています。細胞がコピー(分裂)を繰り返す際、どうしてもミスが起きてしまいます。驚くべきことに、健康な人の体でも、毎日1,000個以上のがん細胞が生まれているという話をします。
乳がんが1cmの大きさになるまでには、実は10年〜20年という長い年月がかかります。しかし、そこから2cmになるまでのスピードは劇的に上がり、わずか1〜2年ほどといわれています。
「2年に1回の検診」が「早期発見・早期治療」につながるといえます。

なぜ北海道・函館の受診率は低いのか?:学生たちの鋭い分析
データを見ると、北海道の検診受診率は全国平均を下回り、特に函館市はさらに低い傾向にあります。なぜ「自分事」として捉えられないのか、学生の二人が鋭い分析を提示してくれました。
川瀬さんは、函館の地域特性に着目しました。 「函館は全国平均に比べて個人事業主の割合が高いというデータがあります。組織に守られた会社員とは違い、検診が個人の判断に委ねられていることが一因ではないでしょうか。予防医療への意識が地域にまだ根付いていない側面も感じます。」
一方、土山さんは若い世代のリアルな心理を代弁してくれました。 「20代や働き始めたばかりの世代は、『自分はまだ大丈夫』と思いがちです。何より、検査で何をされるのか分からない、触られるのが怖いといった『検査そのものへの恐怖』が、足を遠のかせている本音だと思います」
北海道ならではの事情もあります。巡回バス検診は便利ですが、その日の日程を逃すと、次のチャンスが1年後になってしまう。こうした「機会の制約」も、受診率を押し下げる大きな壁になっているのです。
私自身、46歳で両側の乳がんと診断されました。私自身は最近、国会などでも議論に上がった「高濃度乳房(デンスブレスト)」です。これは病気ではなく、アジア人女性の約7割に該当する「体質」のこと。
このタイプはマンモグラフィで見ると真っ白に写ります。ところが、がんも白く写るため、「雪山の中で白いウサギを探す」ように、がんが隠れてしまうリスクがあるのです。私の画像も真っ白で、わかりません。しかし、エコー(超音波)検査をしたところ、はっきりと「黒い影」が見つかりました。しかもしこりをつくるだけではなく、横に広がったり、散らばっていたり、、、乳がんのタイプも形もひとつではありません。
マンモグラフィだけで「異常なし」と安心せず、自分の乳房がどのタイプかを知り、必要に応じてエコー検査を組み合わせる。自分の体の特性を正しく把握することが、命を守る第一歩になります。来年度から知らせることが求められるようになります。

