【精神疾患と治療費】家族が統合失調症になったら?リアルな治療費と負担が「1割」になる制度

【精神疾患と治療費】家族が統合失調症になったら?リアルな治療費と負担が「1割」になる制度

3. 費用を大きく抑えるためにできること

統合失調症の治療費は、利用できる公的制度を組み合わせることで大幅に軽減できます。以下の3つが特に重要です。

■ 後発医薬品(ジェネリック)への切り替え

抗精神病薬の多くは後発品が存在します。先発品と同じ有効成分で同等の効果が期待でき、薬代が2〜5割程度安くなるケースがあります。薬局でジェネリック希望と伝えるか、「後発品調剤体制加算」のある薬局を利用しましょう。

■ 複数の医療機関・薬局の集約

精神科・内科・歯科など複数の医療機関を受診している場合、月の医療費合計が高額になることがあります。受診する医療機関や使う薬局を1か所にまとめると、自立支援医療の対象範囲が明確になり、手続きもスムーズになります。

■ 医療ソーシャルワーカーへの相談

医療機関には医療ソーシャルワーカー(MSW)が配置されていることがあります。利用できる公的制度の案内から申請サポートまで、無料で相談に乗ってくれます。「制度のことがよくわからない」という方こそ、気軽に声をかけてみてください。

4. 知っておきたい公的支援制度

統合失調症の治療には、費用面で助けになる公的制度が複数あります。それぞれの内容と申請窓口を確認しておきましょう。

■ 自立支援医療(精神通院)
・内容:精神疾患の外来治療にかかり自己負担を1割に軽減(所得により上限あり)
・申請窓口:市区町村の精神保健福祉窓口
■ 精神障害者保健福祉手帳
・内容:等級に応じて税の控除・公共交通費の割引・就労支援などが受けられる
・申請窓口:市区町村の精神保健福祉窓口
■ 障害年金
・内容:初診日から1年6か月後に申請可能。1・2級が対象(月約7万〜8.8万円(2026年度・年度により改定))
・申請窓口:年金事務所・市区町村窓口
■ 高額療養費制度
・内容:月の医療費が自己負担限度額を超えた分を払い戻し
・申請窓口:マイナンバーカード(マイナ保険証)使用時は申請不要。必要時は加入している健康保険の窓口

■ 自立支援医療(精神通院)(じりつしえんいりょう)

自立支援医療(精神通院)とは、精神疾患の外来治療にかかる医療費の自己負担を原則1割に軽減する制度です。通常の健康保険では3割の自己負担が必要ですが、この制度を使うと1割に引き下げられます。たとえば医療費が1万円の場合、通常は3,000円の自己負担が1,000円になります。さらに世帯の所得に応じて月額の自己負担上限額(2,500円〜20,000円)が設けられており、上限を超えた分はかかりません。

対象となるのは、指定を受けた精神科病院・診療所・薬局での外来受診です。申請は市区町村の精神保健福祉窓口(または保健センター)で行います。医師の診断書と所得を確認できる書類が必要で、更新は1年ごとです。

■ 精神障害者保健福祉手帳(せいしんしょうがいしゃほけんふくしてちょう)

精神障害者保健福祉手帳は、精神疾患があり、日常生活や社会活動に一定の制限がある方を対象にした手帳です。1〜3級があり、等級に応じて住民税・所得税の控除、公共交通機関の運賃割引、就労移行支援など様々なサービスを受けられます。初診日から6か月以上経過していれば申請できます。申請窓口は市区町村の精神保健福祉窓口で、医師の診断書が必要となります。

■ 障害年金(しょうがいねんきん)

障害年金は、精神障害により日常生活や就労に支障がある方が受給できる公的年金です。初診日から1年6か月後(障害認定日)以降に申請でき、1級・2級に該当した場合に支給されます。障害基礎年金2級は月額約7万円(※年度により改定されます)、1級はその1.25倍です。子の加算などがある場合はさらに上乗せされます。申請には医師の診断書が必要で、年金事務所または市区町村窓口で行います。

■ 高額療養費制度(こうがくりょうようひせいど)

高額療養費制度とは、1か月に支払った医療費の自己負担が一定の上限額を超えた場合に、超過分が払い戻される制度です。自立支援医療を利用してもなお医療費が高くなる月(入院と重なった場合など)に活用できます。上限額は年齢・所得によって異なり、たとえば70歳未満・標準的な所得の方は月約8万円が目安です。

マイナンバーカード(マイナ保険証)でオンライン資格確認をすると自動で自己負担限度額が適用されるため、高額療養費の申請は原則不要で、窓口での支払いが自己負担限度額までに抑えられます。

ただし、資格確認証を使用している場合は「限度額適用認定証」の取得申請が必要となります。事前に「限度額適用認定証」を取得して医療機関に提示しておくと、医療機関の窓口での支払いを最初から限度額にとどめることができます。申請窓口は、会社員の方は勤務先の健康保険組合または全国健康保険協会(協会けんぽ)、自営業・無職の方は居住地の市区町村窓口です。

なお、高額療養費制度の自己負担上限額は、2026年8月から段階的に引き上げられる予定です。受診時点での最新の上限額を医療機関や加入先の窓口で確認しておくと安心です。

配信元: Medical DOC

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