●外国籍者を排除して「日本のため」になるのか
来日から半世紀近く。これまで経験したことのない排外的な空気について、チャンドラニさんは「本当に不思議です」と話し、こう続けた。
「かつて日本が不景気だったとき、外国籍者が日本人の仕事を取っていると非難されたことがありました。ただ、今は仕事があるのに働く人がいない状況です。特定の業種での圧倒的な人手不足は周知のとおりで、企業は困っています。
誰が、どういう意図で訴え出したのか。外国籍者を排除したい人たちは、排除は『日本のためだ』と言います。でも、その主張のどこが日本のためになるのか。私にはわかりません。
出生率が下がり、寿命が延びる中、介護人材が求められています。同じ国の人のほうが安心という気持ちはわかりますし、(人材が)間に合うならそれはよいことです。でも、実際はどうでしょう。現実をよく見たうえで、辻褄の合う話を聞きたいです」
【プロフィール】ジャグモハン・チャンドラニ/1953年インド・コルカタ出身。デリー大学卒業後、1978年に来日。貿易業の傍ら、1979年から拠点を置く西葛西で、インドと日本の草の根交流を進めると同時に、2000年頃からIT技術者として日本に駐在し始めたインド人をサポート。在日インド人コミュニティのリーダーとして、地元住民との共生に尽力している。

