ジャディアンスが使われる心不全のタイプ

心不全には、心臓の収縮力が低下したタイプと、収縮力はある程度保たれているものの心臓が硬くなって広がりにくいタイプがあります。ここでは、ジャディアンスが使われる心不全のタイプを解説します。
左室駆出率が低下した心不全と保たれた心不全
左室駆出率とは、心臓の左心室が1回の拍動でどのくらい血液を送り出せているかを示す指標です。左室駆出率が低下した心不全はHFrEF、保たれた心不全はHFpEFと呼ばれます。
以前は、心不全治療薬の多くが左室駆出率の低下した心不全を中心に使われていました。しかし、SGLT2阻害薬は、左室駆出率の違いを超えて心不全治療で使われるようになっています。
実際に使うかどうかは、心エコーの結果、症状、腎機能、血圧、併用薬などをふまえて判断されます。心不全のタイプを確認するためにも、定期的な検査が大切です。
糖尿病の有無にかかわらず使われること
ジャディアンスは糖尿病の薬として知られていますが、心不全では糖尿病がない方にも使われることがあります。
これは、心不全に対する効果が血糖を下げる作用だけでは説明できないためです。体液量、腎機能、心臓への負担などに関わる作用が、心不全治療に役立つと考えられています。
糖尿病がない方は、血糖を大きく下げる薬というより、心不全の悪化を防ぐ薬として処方されます。ただし、食事がとれないときや脱水があるときには注意が必要です。
ジャディアンスの使い方と注意点

ジャディアンスは、通常1日1回服用する薬です。心不全で使う場合は、脱水や腎機能、感染症などに注意しながら継続します。ここでは、ジャディアンスの使い方と注意点を解説します。
服用するときの注意
慢性心不全で使う場合、ジャディアンスは通常、エンパグリフロジンとして10mgを1日1回、朝食前または朝食後に服用します。
飲み忘れた場合の対応は、処方時の説明に従います。自己判断で2回分をまとめて飲むことは避けましょう。
服用中は、腎機能、血圧、体重、むくみ、尿量、脱水症状などを確認します。利尿薬を一緒に使っている方、高齢の方、腎機能が低下している方は、脱水や血圧低下が起こる可能性があります。
注意したい副作用
注意したい副作用は下記のとおりです。
脱水
頻尿
尿路感染
性器感染
低血糖
ケトアシドーシス
脱水では、お口の渇き、立ちくらみ、ふらつき、尿量の減少などがみられることがあります。尿路感染では、排尿時の痛み、頻尿、発熱などに注意します。
ケトアシドーシスは、血糖値が高くなくても、吐き気、嘔吐、腹痛、強いだるさ、息苦しさなどが起こることがあります。これらの症状がある場合は、早めに医療機関へ連絡しましょう。

