血液検査で夏バテと他の病気を見分けるための主な検査項目

夏バテで血液検査は必要なのか、気になっている方も多いのではないでしょうか。夏のだるさや食欲不振、めまいは、単なる夏バテだけでなく、脱水、熱中症、貧血、鉄不足、血糖異常などが関係していることがあります。血液検査では、こうした夏バテに似た不調の原因を見分けるために、電解質、ヘモグロビン、肝機能、腎機能、栄養状態などを確認します。ここでは、夏バテと他の病気を区別するうえで重要な主な検査項目をわかりやすく解説します。
電解質
電解質は、ナトリウム、カリウム、クロールなどです。汗を多くかくと、水分だけでなく塩分も失われます。電解質が乱れると、だるさ、吐き気、頭痛、筋肉のつりなどが起こります。熱中症や脱水症では重要な項目です。
ヘモグロビン
ヘモグロビンは、赤血球の中で酸素を運ぶたんぱく質です。値が低いと貧血が疑われます。貧血では、だるさ、息切れ、動悸、立ちくらみ、頭痛が出やすくなります。夏バテと症状が重なるため、見分けるうえで重要です。必要に応じて赤血球の大きさや鉄の蓄えも確認します。
肝機能・腎機能検査項目
AST、ALTは肝機能、BUN、クレアチニンは腎機能の目安です。強い脱水や熱中症では、肝臓や腎臓に負担がかかることがあります。症状が強い人、嘔吐がある人、水分が取れない人では、こうした検査が重症度の判断に役立ちます。
栄養状態
総たんぱくやアルブミンは、栄養状態の参考になります。夏は食事量が減りやすく、たんぱく質や鉄分が不足しがちです。たんぱく質は体力維持だけでなく、造血にも関わります。食事量の低下が長引く人では、栄養の偏りが不調を悪化させることがあります。
血糖値
血糖値は、糖尿病や高血糖の有無をみる検査です。高血糖でも、強い口渇、だるさ、体重減少などが起こります。熱中症の重症例では、血糖異常が全身状態の悪化と関連することもあります。
「夏バテ」と関連・間違えやすい病気・疾患

ここではメディカルドック監修医が、「夏バテ」に関する症状が特徴の病気を紹介します。どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
夏バテ(暑気あたり・自律神経の乱れ)
夏バテは、高温多湿、温度差、睡眠不足、食欲低下などが重なって起こります。対処の基本は、水分と食事を確保し、睡眠環境を整えることです。数日休んでも改善しないときは、内科や総合診療科を受診してください。
脱水症
脱水症は、水分が足りない状態です。大量の発汗、下痢、嘔吐、食事や水分の不足で起こります。口の渇き、尿量低下、ふらつきが目立ちます。経口補水液が役立つことがあります。飲めない、吐いてしまう、尿が極端に少ない場合は早めに受診が必要です。受診先は内科です。症状が重い時は救急外来でも対応可能です。特に高齢者は症状に乏しい場合があるので、注意が必要です。
熱中症
熱中症は、暑さで体温調節が破綻した状態です。めまい、頭痛、吐き気、けいれん、手足の痺れ、意識障害が出ることがあります。自力で水分が取れない、返事がおかしい、意識がぼんやりする場合は救急要請が必要です。まずは涼しい場所へ移し、体を冷やします。受診先は内科、救急外来です。
自律神経失調症(クーラー病・冷房病)
冷房病は、冷房の使い過ぎや寒暖差で体温調節が乱れ、不調が出る状態です。だるさ、冷え、頭痛、腹痛、下痢、肩こりなどがみられます。室温の調整、衣服での冷え対策、入浴、軽い運動が対策です。症状が長引く場合は内科で相談してください。
鉄欠乏性貧血
鉄欠乏性貧血は、鉄が不足して赤血球を十分につくれない状態です。だるさ、息切れ、動悸、めまい、頭痛が起こります。夏は汗や食事量低下の影響で、鉄不足が目立ちやすくなります。まぶたの裏が白い、氷を無性に食べたくなる場合も手がかりです。治療は原因確認と鉄補充です。内科の受診が適しています。
甲状腺機能異常(バセドウ病・橋本病など)
甲状腺機能亢進症では、暑がり、多汗、動悸、体重減少、手のふるえが出ます。甲状腺機能低下症では、だるさ、眠気、寒がり、むくみ、便秘がみられます。血液検査ではTSH、FT4、FT3を確認します。汗が多いのにやせる、または夏なのに強いむくみや眠気が続く場合は、内科や内分泌内科を受診してください。

