●今回の訴訟が持つ意味
──街頭取材をめぐる賠償請求訴訟は珍しいとされます。この訴訟は、放送の枠組みの外にある動画配信のあり方に、どんな影響を持ち得ますか。
現時点では、大きな影響は持たないかもしれません。日本では、損害賠償額が比較的低く、プラットフォーム上で多額の収益を得るインフルエンサーには歯止めになりにくい面があります。
ただ、こうした事案で権利侵害が認められれば、プラットフォーム事業者への削除申し出がおこなわれやすくなります。情報流通プラットフォーム対処法の迅速化のルールによって、事業者にも誠実な対応義務が生じてきます。
配信者はプラットフォームの「手のひらの上」でコンテンツを出している以上、今後はプラットフォーム事業者の責任も、ますます大きく問われることになるでしょう。
●取材される側を、誰が守るのか
承諾書という「入口」の同意は、被害が生じた後まで配信者を守る盾になるのか。
テレビの外側へと広がった街頭インタビュー動画の時代に、取材される側を、誰がどのようなルールで守るのか。今回の訴訟は、その答えを探る一つの試金石となりそうだ。
(※街頭インタビューに応じた中国出身女性のエピソードについて、実際には発言していないのに「中国ではカラスを食べる」と発言したかのように編集されていた問題)

