「パパ活男はしばかれてもいい」強盗殺人で懲役20年…16歳少年の「誤った正義感」と成育歴

「パパ活男はしばかれてもいい」強盗殺人で懲役20年…16歳少年の「誤った正義感」と成育歴

●高校中退の原因も「誤った正義感」から起こした暴力沙汰

A被告人は幼少期から、追い詰められた場面や答えが見つからない場面でパニックになりやすかった。嫌なことがあると自分の頭を殴ったり、腕を噛んだり、癇癪を起こしたりもした。小2の時、母親が小学校の先生に勧められて医療機関で検査を受けさせると、ADHD(注意欠如多動症)と診断されたという。

一方、精神科医によると、A被告人が小学生の頃に万引きを繰り返したのは、欲望のままに反社会的行動を繰り返す素行障害の症状と診断できるという。

A被告人は小5になると、「万引きをしたら怒られるので、欲しい物は母や祖父の金で買えばよい」と思いつき、母親や祖父の財布から金を取るようになった。中学校では勉強についていけず、中2から特別支援学級に。中3になると、些細なことで注意してくる担任教師をうっとうしく思い、学校を休んだり、地元の先輩と夜遊びしたりするようになった。

そんな中学時代、A被告人は「誤った正義感」に基づく行動もするようになった。女子生徒をからかっている男子生徒に注意し、至近距離で鉛筆を突きつけ、「殺すぞ」と発言。母親に注意されても、「あいつが悪いんだから、痛い目に遭っても仕方が無い」と言っていたという。

中学卒業後は通信制の高校に進学したが、ほどなく自主退学。その原因である暴力沙汰も「誤った正義感」から起こしたものだった。家裁調査官は次のように報告している。

「同級生の女子から『元カレにレイプされた』と相談され、A被告人は頼られて嬉しく、『何とかしてあげたい』と思ったそうです。そこで先輩について来てもらい、相手の男性と話をつけようとしたが、その男性が『知らん』と嘘をつくなどしたため、『しばかないとダメだ』と殴る蹴るしたのです」

主導者として強盗殺人事件を起こしたのは、それから1年も経たない時期だった。

●「パパ活をするような人はしばかれてもしょうがない」

A被告人は事件の半年前、松山市で暮らす少女CとSNSで知り合い、遠距離恋愛するように。事件の前月、少女Cがパパ活をしていると知ったという(A被告人や少女Cは援助交際のことをパパ活と表現していた)。

「Cさんとパパ活相手の男性たちの両方に怒りを覚えました。パパ活相手の男性全員をしばこうと思い、Cさんに全員を広島に呼ぶように言いました」

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A被告人によると、「お金を取れたらラッキー」という思いもあったが、少女Cと相手の男性たちにパパ活をやめさせることが犯行の最大の目的だったという。

「痛い目に遭わせ、お金を取れば、相手の男性たちはパパ活をやめると思いました。Cさんも相手の男性たちがそのような目に遭えば、罪悪感を覚えてパパ活をやめると思いました」

A被告人はなぜ、少女Cと相手の男性たちにパパ活をやめさせることにこだわったのか。以前交際していた女性がパパ活をしていて、妊娠したことがあるからだという。

「お金目的でそんなことをする彼女にも腹が立ちましたし、パパ活相手の男性たちの無責任さにも腹が立ちました。『パパ活のような悪いことをしている人であれば、しばかれてもしょうがない』と思いました」

この「誤った正義感」により生命まで奪われたのが、少女Cの呼び出しに応じ、広島に訪れた被害男性だった。

精神科医によると、A被告人は素行障害やADHDのほか、自閉症スペクトラム症や、養父の虐待が背景にあるとみられる複雑性PTSDの病態も認められた。一直線に突き進んだ犯行はこれらの特性の影響もあるという。

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