●被害者遺族の調書を読み、被害男性への考えに変化
A被告人によると、事件後、被害男性への考えに変化があったという。最大のきっかけは、勾留先の拘置所で被害者遺族の調書を読んだことだったそうだ。
「調書に書かれた被害者の方の実際の人物像が、僕が思っていた人物像と違いすぎ、とても驚きました。僕は被害者の方について、未成年とパパ活をして、その責任を取らない人なのだと思っていましたが、お父さんや妹さんに優しく、親切な方だったのだと思うようになりました」
先月22日の第4回公判。A被告人は最終陳述でこう述べた。
「僕が被害者の方とご遺族の方に言えることは、『本当にすみませんでした』ということだけです。本当にすみませんでした」
被告人質問では、「(凶器の)木の棒は現場で見つけた。木の棒で頭を叩くだけで重傷になると思わなかった」と殺意を否定していたが、この時は殺意の有無に関する主張はしなかった。
弁護人はそんなA被告人について、「真摯な謝罪、反省の態度を示している」と指摘。母親がA被告人について、監督指導の意思があることなども根拠に挙げ、「刑事処分ではなく、少年院送致などの保護処分が相当だ」と主張した。

結果、國分裁判長は判決で、「相応の重さがある鈍器(木の棒)で後頭部を繰り返し殴打している」と指摘し、A被告人に殺意があったと認定。「保護処分にすることを許される特段の事情があるとは言えない」と刑事処分を選択した。
そのうえで、「無期懲役刑に相当する事案だが、被告人は犯行時16歳だった」として、少年法51条2項が定めた有期刑の上限の懲役20年を宣告したのだ。

