高次脳機能障害の主な神経心理学的検査

高次脳機能障害の神経心理学的検査を解説します。
知能を測る検査
全般的な知能(IQ)を測定する検査は、下記のようなものです。
■ HDS-R・言語理解、知覚推理、ワーキングメモリー、処理速度の4つの指標で構成される:言語性の認知機能検査でスクリーニングとして使用できる
■ MMSE
・言語理解、知覚推理、ワーキングメモリー、処理速度の4つの指標で構成される:国際的に使用され認知機能のスクリーニングとして使用できる
■ コース立方体テスト
・言語理解、知覚推理、ワーキングメモリー、処理速度の4つの指標で構成される:4色の立方体を使い模様を作成し評価する
それぞれカットオフポイントが設けられており、障害の程度や全体的な認知機能の低下をとらえる参考になります。
記憶を測る検査
記憶を測る検査では、記憶の質や定着の程度を評価します。
■ RBMT・記憶の評価に加え、30分後の遅延再生を評価する:人物の顔や名前、約束の用事など生活に直結する課題を評価する
■ 三宅式記銘力検査
・記憶の評価に加え、30分後の遅延再生を評価する:関連性のある単語やない単語のペアを記憶し、言語性の記憶力を評価する
■ ベントン視覚記銘検査
・記憶の評価に加え、30分後の遅延再生を評価する:図形の模写や再認をする検査で、視覚性の記憶や構成能力を評価する
生活に直結する課題が多いため、実生活での問題点を予想しやすい点が特徴です。
遂行機能を測る検査
下記のような検査で、遂行機能の評価が可能です。
■ WCST・行動の計画性や時間判断など効率的な行動を評価する:色・形・数の3つのルールを推測してカードを分類する
■ TMT
・行動の計画性や時間判断など効率的な行動を評価する:数字を順に結ぶPartAと、数字とひらがなを交互に結ぶPartBで構成される検査で注意力も評価できる
複数の検査を組み合わせることで、障害像を多面的にとらえやすくなります。
高次脳機能障害の診断テストを受けられる場所

高次脳機能障害の診断テストは、医師と心理職や療法士が在籍する医療機関や専門支援機関で受けられます。
医療機関での検査
医療機関での検査は、主に次のような診療科で医師が必要性を判断し実施します。
リハビリテーション科
脳神経外科・脳神経内科
精神科・心療内科
医療機関での検査は保険診療内で可能です。詳細な検査のWAIS-IVやWMS-Rは時間を確保するため、予約制となる場合があります。
高次脳機能障害支援拠点機関での評価
各都道府県に設置されている高次脳機能障害支援拠点機関でも、評価や相談は受けられます。
■ 評価・生活の困りごとや検査の相談を対応する:自立した生活や就労の観点などを評価する
■ 情報提供
・生活の困りごとや検査の相談を対応する:保健所や就労支援センターなどと連携する
最終的な診断には医師による問診や画像検査が必要であり、拠点機関から医療機関へ紹介となる流れが一般的です。

