造影剤ありのMRI検査についてメディカルドック監修医が解説。使用の目的や副作用、乳がんや脳の診断における重要性についても紹介します。

監修医師:
伊藤 規絵(医師)
旭川医科大学医学部卒業。その後、札幌医科大学附属病院、市立室蘭総合病院、市立釧路総合病院、市立芦別病院などで研鑽を積む。2007年札幌医科大学大学院医学研究科卒業。現在は札幌西円山病院神経内科総合医療センターに勤務。2023年Medica出版社から「ねころんで読める歩行障害」を上梓。2024年4月から、FMラジオ番組で「ドクター伊藤の健康百彩」のパーソナリティーを務める。またYou tube番組でも脳神経内科や医療・介護に関してわかりやすい発信を行っている。診療科目は神経内科(脳神経内科)、老年内科、皮膚科、一般内科。医学博士。日本神経学会認定専門医・指導医、日本内科学会認定内科医・総合内科専門医・指導医、日本老年医学会専門医・指導医・評議員、国際頭痛学会(Headache master)、A型ボツリヌス毒素製剤ユーザ、北海道難病指定医、身体障害者福祉法指定医。
造影MRI検査とは?MRIの種類と違い

造影MRI検査では、ガドリニウムを主成分とする造影剤を腕の静脈から注射し、血液の流れや組織の性質の違いを強調して撮影します。単純MRIより腫瘍や炎症などの異常が描出されやすくなり(病変の可視化)、良悪性の鑑別や広がりの評価に役立つ検査です。
造影剤を使用するMRI検査の目的・用途とは?

造影MRI検査は、造影剤の分布を利用して血管の状態や腫瘍の有無・その悪性度(質的診断)を詳しく調べる検査です。乳がんや脳ドックなどで、より精密な診断に役立ちます。
乳がんのステージを確認
乳がんの造影MRI検査は、腫瘍に集まる造影剤のパターンから大きさや数、周囲組織への広がりがわかりやすくなります。マンモグラフィや超音波で評価しにくい病変や多発病変の有無も確認しやすく、手術方法の選択やステージ判定の参考になります。
脳腫瘍の有無
脳腫瘍は、造影MRI検査を行うことで腫瘍部分が強く浮かび上がり、正常脳との境界や浮腫、血管との位置関係が明瞭になります。造影MRI検査は小さな腫瘍や再発病変の検出にも役立ち、手術や放射線治療の計画、悪性度の推定などに重要な情報を提供してくれます。
血管の異常の確認
造影MRI検査は、造影剤の流れを連続的な撮影で、血管の狭窄や閉塞、血管奇形、解離などの異常を詳しく評価できます。腫瘍と周囲血管の関係も把握しやすく、カテーテル治療や手術のリスク評価に役立ちます。頭頸部では造影剤を使わないMRAも広く行われています。
脳ドックでの役割
脳ドックは、単純MRIやMRA検査に加えて必要に応じ造影MRI検査を行うことで、未破裂脳動脈瘤や血管奇形、脳腫瘍などのリスク評価がより詳しくできます。造影剤を用いると血管や病変の性状がわかりやすくなり、将来の脳卒中予防や経過観察の方針決定に生かされます。

