【1型糖尿病とお金】一生インスリンが必要?リアルな治療費と家計を守る公的制度

【1型糖尿病とお金】一生インスリンが必要?リアルな治療費と家計を守る公的制度

費用を抑えるためにできること

治療を続けながら費用の負担を減らすには、いくつかの工夫があります。

■ CGMを保険診療の範囲で活用する

インスリン製剤の自己注射を1日1回以上行っている方は、医師が必要と判断し保険適用の要件を満たす場合、CGM(持続グルコースモニタリング)の保険診療を受けられます。自己負担額は加入している医療保険や負担割合、使用する機器・センサー数などによって異なります。一方、美容やダイエット目的など保険適用外で自費利用する場合は、機種にもよりますが月1万円前後~数万円程度かかることがあります。使用方法や処方タイミングについては、主治医と相談するのがおすすめです。

■ バイオ後続品(バイオシミラー)を検討する

インスリン製剤の一部には、先発品と同等の品質・安全性・有効性が確認された「バイオ後続品(バイオシミラー)」があります。バイオ後続品は先発品より薬価が低く設定されているため、主治医や薬剤師に相談することで、月々の薬剤費を抑えられる場合があります。

■ 医療費控除を活用する

1年間(1月〜12月)に支払った医療費が一定額を超えた場合、確定申告で医療費控除を受けられます。医療機関や薬局の窓口で支払った自己負担額(インスリン製剤・注射針のほか、血糖自己測定器加算やCGMのセンサー代を含む管理料など)が対象になるため、領収書は保管しておきましょう。なお、通院にかかる公共交通機関の交通費も医療費控除の対象になります。確定申告はe-Tax(国税庁のオンライン申請システム)を利用すると自宅から手続きできます。

知っておきたい公的制度

1型糖尿病の治療費については、年齢や状況に応じて利用できる公的制度があります。

■ 小児慢性特定疾病医療費助成制度

18歳未満(引き続き治療が必要と認められれば20歳未満まで)の1型糖尿病患者は、小児慢性特定疾病医療費助成の対象です。世帯の所得に応じて自己負担の上限額が決まり、多くの場合、月々の自己負担は0円〜1万円程度に抑えられます。ただし20歳以降は原則としてこの助成の対象外となり、成人の1型糖尿病は指定難病にも該当しないため、小児慢性特定疾病のような疾病特有の公的医療費助成制度はありません。そのため、成人後は高額療養費制度や障害年金などの一般的な公的支援を利用することになります。この空白期に対応するため、日本IDDMネットワークが佐賀県内の25歳までの患者を対象とした独自の医療費助成事業を実施しているほか、岡山県ではEDP-Okayama(教育・キャリア支援プログラム)なども行われています。お住まいの地域の独自の助成制度や、障害年金・傷病手当金の対象になるかどうかについて、医療ソーシャルワーカーに早めに相談しておくと安心です。申請窓口はお住まいの都道府県・政令指定都市・中核市の担当窓口(保健所等)です。

■ 高額療養費制度

1か月の医療費の自己負担額が一定の上限を超えた場合、超えた分が後から払い戻される制度です。上限額は年齢や所得によって異なり、たとえば年収約370万〜約770万円の方であれば、1か月の上限は8万100円+(医療費−26万7,000円)×1%が目安です。なお、あらかじめ「限度額適用認定証」を医療機関の窓口に提示すれば、はじめから自己負担限度額までの支払いで済みます。マイナ保険証を利用する場合は、事前申請も認定証の提示も不要で、高額療養費の事後申請自体も不要です。また、高額療養費の自己負担限度額は2026年8月から段階的に引き上げられることが確定しています。標準報酬月額28〜50万円の区分では、上限額の計算の基礎となる定額部分が80,100円から85,800円に引き上げられるほか、新たに年間(8月〜翌年7月)の上限額(この区分で約53万円)も設けられます。さらに2027年8月には第2段階の見直しも予定されています。申請窓口は加入している公的医療保険(協会けんぽ・健康保険組合・市区町村の国民健康保険等)の窓口です。

■ 障害年金

1型糖尿病では、インスリン治療を90日以上続けていて、血清Cペプチド値が0.3ng/mL未満、意識障害を伴う重症低血糖が月1回以上、ケトアシドーシス等による入院が年1回以上のいずれかに該当し、かつ日常生活や就労への影響(一般状態区分「イ」または「ウ」)が認められる場合に、障害厚生年金3級の対象となる可能性があります。認定は総合的に判断されるため、詳細は年金事務所や社会保険労務士にご相談ください。なお国民年金のみの加入者に3級はなく、障害基礎年金は原則2級以上が対象です。

配信元: Medical DOC

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