世界の名門オーケストラが相次いで経営難に直面するなか、「ゲーム音楽コンサート」が各地の楽団にとって大きな収益源になっているという話題が、SNS上で大きな関心を集めている。
きっかけとなったのは、海外のXユーザーによる投稿だ。その主張によれば、クラシックのオーケストラは古くから王侯貴族や富裕層の寄付、政府の補助金に依存してきた歴史があり、チケット売上は予算の3分の1程度にとどまり赤字が常態化してきたという。2010年以降も米国の有名楽団が相次いで破産申請に追い込まれるなど構造的な苦境が続くなか、この流れを大きく変えたのが「ゲーム音楽」だったと指摘されている。
同投稿によると、「ゼルダの伝説」や「ファイナルファンタジー」、「ソニック」といったゲーム音楽のコンサートは世界各地で完売を連発。同じ演奏者、同じホールでありながら、「オーケストラ300年の歴史で初めて、観客のチケット代だけで興行費用を全額カバーできるようになった」のだという。さらに、従来のクラシック定期公演の顧客が高齢化する一方、ゲーム音楽の公演には10〜20代の若者が押し寄せており、未来のオーケストラファンを育てる最大の「入口」として機能していると論じた。この分析が日本国内でも拡散されると、音楽ファンやゲーマーの間で多角的な議論が巻き起こった。
「IP自体でチケットが売れる」ゲーム音楽の強み
ネット上で特に大きな納得感をもって迎えられたのが、ゲーム音楽がもたらす「ビジネス構造上の強み」に関する分析だ。高額な有名演奏家に頼らずともIP(知的財産)そのものに強力な集客力がある点や、ゲーム音楽による収益が結果として伝統的なクラシックの存続を支えるという構造に注目が集まっている。
「ゲーム音楽だと原曲が実機音源だからオーケストラ化そのものに新鮮味があるし、作品やキャラへの思い入れも集客力になる。特定の有名演奏家を呼ばなくてもIP自体でチケットが売れやすい」
「ゲーム音楽でオーケストラが食えるならクラシックコンサートの安定供給に繋がるから、クラシック好きにもメリットもある」
「ずいぶん前にゼルダのコンサートを聞きに行ったのですが、観客席が満員なのを見て演奏する側が凄く嬉しそうにしてたのが印象的でしたね。何を言ったところで、やはり観客席が一杯だとやりがいもあるのでしょうね」
楽団にとって「確実にチケットを売れるコンテンツ」が存在することは、経営の安定だけでなく、従来のクラシック公演を維持・補填するための財政的基盤にもなるという、冷徹かつ現実的な視点が共感を集めている。
若年層を呼び込む「最高の入口」
ビジネス面のメリットに加え、クラシック界が長年抱えてきた「観客の高齢化」や「新規層の開拓」という課題に対しても、ゲーム音楽公演は大きなインパクトを与えているようだ。特に、10〜20代の若い世代が生のオーケストラに初めて触れる機会になっている点について、ネット上では歓迎の声が目立つ。
「ゲーム音楽をきっかけにオーケストラに触れて視野が広がるのは素晴らしい。クラシックって無関心層をどれだけ取り込めるかが一番難しいと思ってるから、とにかくこういう入口をじゃんじゃん増やすべき」
「ゲーム音楽系のコンサートはオーケストラの生演奏に触れる最高の機会なので、少しでも興味があったら行ってみてほしい」
「ゲーム音楽は現代のクラシックなのかもしれないなあ。隙あらばオーケストラ収録しようというタイトル多いし。基本歌モノじゃないし、楽曲の長さはテレビ放送に縛られたものじゃないし、タイトル全体でバラエティに富んでるし」

