見ているだけで癒やされる。愛らしい子猫たち
子猫の無邪気なしぐさは、時代を超えて人の心を和ませてきました。まずは思わず「かわいい」と声が漏れてしまうような、子猫たちが登場する作品をご紹介します。
カール・ライヒェルト 「遊び盛りの子猫たち」
『遊び盛りの子猫たち』(カール・ライヒェルト), Public domain, via Wikimedia Commons.
オーストリアの画家カール・ライヒェルトは、犬や猫をはじめとする動物を数多く描いたことで知られています。
中でも「遊び盛りの子猫たち」は、白黒模様の三匹の子猫がデスクの上で元気いっぱいに遊ぶ姿が描かれた、思わず笑顔になってしまう作品です。同じ毛色でよく似た顔をしていることから、三匹はおそらく兄弟でしょう。
子猫たちの澄んだ青い瞳や、ふんわりとした毛並みは細部まで丁寧に描かれており、今にもこちらへ駆け寄ってきそうなほど生き生きとした存在感があります。
一方、デスクの上にはトランプやサイコロ、ボールがあちこちに散らばり、遊びに夢中になった子猫たちが大騒ぎした様子が目に浮かびます。
ヘンリエッタ・ロナー=クニップ「宝石好き」
『宝石好き』(ヘンリエッタ・ロナー=クニップ), Public domain, via Wikimedia Commons.
オランダ生まれの画家、ヘンリエッタ・ロナー=クニップは、犬や猫を題材にした作品を数多く残した女性画家です。『宝石好き』でも母猫と五匹の子猫の微笑ましい時間が丁寧に描かれています。
本作の主役は白黒や茶色、キジ柄など、それぞれ異なる毛色の子猫たち。箱の中の一匹は、箱の外にいる黒い子猫とネックレスを挟んでじゃれ合い、夢中になって遊ぶ様子が伝わってきます。
また母猫の手前では、仰向けになった子猫がバングルをおもちゃ代わりにしており、子猫らしい無邪気な姿です。そんな子猫たちを、母猫は少し離れた場所から静かに見守っています。いたずらを止めるでもなく、優しく見守る姿からは、親子ならではの穏やかな空気が感じられます。
人と猫が紡ぐ、穏やかなひととき
猫はときに人の暮らしに寄り添い、何気ない日常をより豊かなものにしてくれます。続いては、猫と人との優しい関係が伝わる名画をご紹介します。
アルベール・アンカー 「猫と遊ぶ少女」
『猫と遊ぶ少女』(アルベール・アンカー), Public domain, via Wikimedia Commons.
スイスの画家アルベール・アンカーは、19世紀のスイスの村で暮らす人々や子どもたちの日常を温かく描いた「スイスの国民画家」でもあります。静物画に優れた才能を発揮したアンカーですが『猫と遊ぶ少女』でも、何気ない日常を美しく、そして温かく描いています。
本作の主役は椅子に腰掛けて裁縫をする少女と、その膝の上にいる三毛猫です。少女が手にする糸に興味を引かれたのか、猫は夢中になってじゃれつき、裁縫どころではなさそうな様子。猫と暮らしたことがある人なら「こういうこと、あるある」と思わず共感してしまうのではないでしょうか。
特に目を引くのは、こちらへ向けられたピンクの肉球です。前足を伸ばして糸をつかもうとする姿は愛らしく、見ているだけで笑顔になります。
ピエール=オーギュスト・ルノワール 「猫を抱く女」
『猫を抱く女』(ルノワール), Public domain, via Wikimedia Commons.
印象派を代表するフランスの画家ピエール=オーギュスト・ルノワールは、温かな空気感のある作風で見る人を穏やかにさせる絵を多く残しました。『猫を抱く女』でも、その持ち味が存分に生かされています。
柔らかな光に包まれた女性は、ほんのりと頬を赤らめながら、腕の中の猫へ視線を向けています。一方で、抱えられた猫は観念したように身を預けつつも、まだ少し体をこわばらせているようにも見え、その微妙な緊張感が猫らしさを感じさせます。
女性の腕に包まれる猫は逃げるでもなく受け入れるでもない絶妙な距離感が描かれているのも印象的です。
