遊び心あふれる猫の世界
猫はそのままでも可愛らしく魅力的ですが、ときには人間のような振る舞いや姿で描かれることもあります。最後は、猫のユーモラスな一面を楽しめる作品をご紹介します。
アーサー・ヘイヤー 「てんとう虫と猫」
『てんとう虫と猫』, Public domain, via Wikimedia Commons.
アーサー・ヘイヤーはドイツに生まれ、ハンガリーを拠点に活動した画家です。数多くの猫を描いたことから「猫の画家」とも呼ばれ、ふんわりとした毛並みや、猫ならではの繊細な表情を写実的に表現しました。作品には、優雅な毛並みを持つターキッシュアンゴラと思われる猫がたびたび登場します。
『てんとう虫と猫』に描かれているのも、長く美しい白い毛に包まれた一匹の猫です。目の前に現れた小さなてんとう虫が気になるのか、前足をそっと伸ばし、不思議そうに見つめています。その姿からは「これは何だろう?」と考えているような好奇心が伝わってきます。
見慣れないものを前に、思わず手を伸ばしてしまう姿は、幼い人間の子どものようです。猫の無邪気な行動が愛らしく、ヘイヤーが猫を愛していたこともうかがえます。小さなてんとう虫と一匹の猫の出会いが描かれた、心温まる作品です。
ルイス・ウェイン 「メガネをかけて仕事中の猫」
『メガネをかけて仕事中の猫』(ルイス・ウェイン)
ルイス・ウェインは、擬人化した猫の作品で有名なイギリスの画家・イラストレーターです。まるで人間のような猫を主役としたユーモラスな作品は、多くの人々に愛されてきました。
『メガネをかけて仕事中の猫』に登場するのは、タイトルの通り眼鏡をかけた毛足の長い猫。ペンを手に机へ向かい、仕事に取りかかろうとしているような姿が描かれています。ふと横へ視線を向ける表情は「今日はどんなご依頼ですか?」「今、やっています」とでも喋り出しそうです。
人間のようなポーズでありながら、ふわりとした毛並みや猫らしい顔立ちはそのまま残されているため、不思議な可愛らしさが生まれています。「もし猫が本当に仕事をしていたら?」という空想を絵にしたような作品です。
【まとめ】猫をきっかけに、名画の世界をのぞいてみよう
猫は主役として描かれるだけでなく、脇役としても登場することも多く、思いがけない場所で猫と出会える名画が数多くあります。画家ごとに「かわいい」「気高い」「おちゃめ」など描き方が異なるため、その違いに注目しながら鑑賞するのも面白いでしょう。
ぜひお気に入りの一匹を探しながら、アートの世界を楽しんでみてください。
