●「日本人が対象ならあり得ない」理不尽な施策
鈴木さんも弁護団に加わる「日本の入管収容は国際人権法違反」とする訴訟では、必要性や合理性、比例性を欠いた長期収容は国際自由権規約に反すると主張している。一審では一部勝訴し、9月30日に控訴審判決を迎える。
「入管法も入管訴訟も行政法の大きな分野ですが、行政訴訟を扱う弁護士で入管分野に取り組む人は決して多くありません。
そんな中で支援者が裁判を傍聴し、関心を持ってくださることは、本当に大きな力になっています」
一方で、この2年間、外国籍者を取り巻く政策は一段と厳しさを増した。
帰化申請や在留資格の審査が厳格化され、永住資格の取消事由も拡大。在留更新手数料も大幅に引き上げられた。
4月に衆議院法務委員会で参考人として、入管法改正案について意見を述べた鈴木さんは、こう訴えた。
「この2年間の嵐のような方針変更は、日本人が対象ならあり得ないことです。
コロナ禍でも国籍による線引きがありましたが、今回の手数料引き上げにも、『投票権がなければ何をしてもいい』というような国の姿勢を感じます」
●「この国は外国籍者を社会の構成員として認めていない」
外国籍者にとって在留資格は、日本で生活を続けるためのライフラインだ。
「たとえるなら、『来年から水道料金を10倍、20倍にします』と言われるようなものです。安定した国家であれば通常は考えられません。
しかも対象になるのは、日本で暮らし、税金や社会保険料を負担している人たちです。日本生まれの移民2世、3世や在日の方など、日本語を母語とする人も少なくありません。
それにもかかわらず、『外国人に関することは外国人が負担すべきだ』という発想を聞いて、この国は外国籍者を社会の構成員として認めていないのだと感じました」
在留更新などの手数料は1年前にも引き上げられたばかりだ。一方、日本国籍者のパスポート発行手数料は従来から4割以上、引き下げられており、その対比も議論を呼んでいる。

