●「排他的な社会は、誰のためにもならない」
難民訴訟や帰化訴訟、日米同性婚訴訟など、鈴木さんは数多くの公共訴訟にも携わってきた。
「公共訴訟は時間も労力もかかります。それでも、本来あってはならない制度やその運用によって権利を侵害され、苦しんでいる当事者がいる以上、やるしかないと思っています。
もちろん、すべての依頼を受けられるわけではありません。私自身、日々、苦しいせめぎ合いの中で仕事をしています」
弁護士になって四半世紀。外国籍者への風当たりがこれほど強い時代はなかったという。
それでも活動を続ける理由を尋ねると、こう答えた。
「やはり、社会が分断され、マイノリティが排除される社会より、そうではない社会のほうがいいと思うからです。
円安などで日本で働く魅力が下がる中でも、日本に来てくれる人はいます。その一方で、国は排他的な施策を進めています。
国民の安心や安全が本当に外国籍者によって脅かされているのか。十分な検証もないまま、人々の不安をあおり、外国籍者への対応を厳しくする。人気取りのための政治は、結局、誰のためにもならないと思います」
人と向き合い続ける日々だからこそ、気持ちを切り替える時間も欠かせない。
「いろいろ考え込んでしまいそうなときは、『今日の夕飯は何を作ろうかな』と考えるんです。家で料理をすること、子どもと過ごす時間を持つことで、バランスを取るようにしています」
【プロフィール】すずき・まさこ/東京都生まれ。上智大学卒業後、1999年弁護士登録。現在、いずみ橋法律事務所に在籍。外国籍者のリーガルアクセス向上を目指して活動している。全国難民弁護団連絡会議世話人、外国人ローヤリングネットワーク共同代表、特定非営利活動法人JFCネットワーク理事長、特定非営利活動法人 移住者と連帯するネットワーク(移住連)理事などをつとめる。

