■「実家に頼れない」3人目の出産。妻一人で回せるわけがない!
── 野村さんが今回、育児休業を取得しようと決めた背景を教えてください。
野村さん 最大の理由は、単純に「物理的な人手が絶対に足りなくなる」と分かっていたからです。今回は3人目の出産でしたが、当時、上の子たちは5歳と2歳。まだまだ手がかかり、目を離せない真っ盛りの時期でした。
それに加えて、過去2回は妻の実家に里帰りをしてサポートを受けることができたのですが、今回は実家側の受け入れが難しい状況でした。実家に里帰りできず、身近に頼れる親族がいないとなると、出産直後で体が万全ではない妻が、ひとりで上の2人と赤ちゃんをみるのはどう考えても不可能。「自分がまとまった育休を取らなければ家庭が絶対に回らない、休むしかない」と夫婦で話し合い、迷わず取得を決めました。
── 2人目のお子さんが生まれたときも、3週間ほどお休みを取られたそうですね。
野村さん はい、当時は年末年始の休暇に有給休暇をくっつける形で3週間ほど休みました。前回の経験があったので、育児のために仕事を休業することへの心理的なハードルはほとんどありませんでした。
妻は1人目も2人目も帝王切開での出産だったため、3人目も予定帝王切開になることが決まっていて……。産後も痛みを抱えながら動くのは本当に大変なようでした。しかも妻の入院中は、必然的に私がワンオペで上の子たちを世話しなければなりません。しかも2人目のときは早くに破水してしまい、緊急帝王切開となったんです。そういった背景からも、今回、お休みをいただくことは必須でした。

「来年小学校に上がる長女(右)は、弟ときょうだい喧嘩をすることもありますが、その反面、下の子たちをとてもかわいがってくれたり、お手伝いもしてくれたりするので、頼りにしています」(野村さん)
■育休に入る半年前から相談
── 育休を取得するにあたり、半年前というかなり早い段階から上司に相談されていたそうですね。
野村さん そうですね、前年の12月末頃には当時の上長に「来年の6月に育休を取得したいです」と伝えました。私の仕事は、クラウド上にお客様のご要望を満たすアプリや仕組みを構築する、システムインテグレーションのエンジニアです。早めに言っておいた方が社内でも色々と調整が利きやすいだろうという判断でした。
── 実際の引き継ぎや業務調整はどのように進められたのでしょうか。
野村さん 会社が私の育児休業を見越して、3月中旬頃に新しい外部のスタッフ(ビジネスパートナーと呼ばれる業務委託の人材)の方をチームに1人入れてくれたんです。私が抜ける期間はその方に仕事を代理担当してもらうため、約3ヶ月前から少しずつ業務のレクチャーや引き継ぎを始めました。
休みを取得すること自体に不安はなかったものの、直前の準備期間は通常業務の忙しさも重なってそれなりのプレッシャーやストレスがありましたね。でも、早い段階から準備ができたおかげで、直前はバタバタしたものの、最終的には不安なく育休を迎えることができました。
── 育休を申請した際、周囲の反応はいかがでしたか?
野村さん 会社全体としては、私のほかにも何人も育休を取得している男性社員がいるため、比較的休みを取りやすい雰囲気が醸成されつつあるなと感じました。
大変ありがたいことに、主要な取引先である親会社のお客様からも快く受け入れていただけただけでなく、温かい応援のお言葉までかけてくださり、本当に嬉しかったです。

「次女の誕生と私の母の還暦を祝うために懐石料理店に集合。楽しい時間を過ごせました」(野村さん)
