【糖尿病と治療費】「ついにインスリン…」家計は大丈夫?一生続く治療の費用と減らす制度

【糖尿病と治療費】「ついにインスリン…」家計は大丈夫?一生続く治療の費用と減らす制度

費用を抑えるためにできること

インスリン療法は長期間続くことが多いため、日々の工夫によって自己負担を軽減することができます。ここでは代表的な方法を3つ紹介します。

■ バイオシミラー(バイオ後発品)インスリンを検討する

インスリン製剤にも、先発品と同等の品質・安全性・有効性が確認されており、同じように効果が期待できる「バイオシミラー」と呼ばれる後発品があります。ただし薬価は製剤によって異なり、超速効型では先発品より2〜3割安いものがある一方、持効型では先発品とほぼ同等か、やや高くなる場合もあります。切り替えで負担が下がるかどうかは使用中の製剤によって変わるため、まず主治医に「バイオシミラーへの変更で費用は下がりますか」と相談してみるとよいでしょう。インスリン製剤では、一般的な後発医薬品のように薬局で柔軟に切り替えられるケースは限られるため、処方時に主治医と相談しておくことが大切です。

■ 測定回数や注射方法を主治医と見直す

血糖コントロールが安定してきたら、測定回数や注射のタイプを見直すことで、加算や薬剤費を抑えられる場合があります。自己判断で回数を減らすのではなく、主治医と相談しながら、必要な範囲で調整することが大切です。

■ 通院間隔・処方日数を調整する

症状が安定している時期は、処方日数を増やしてもらい通院間隔を延ばすことで、診察料や調剤料など毎回発生する費用を減らせることがあります。ただし、体調や血糖値の変動が大きい時期は、無理に間隔をあけず主治医の指示に従うことが重要です。

なお、インスリン療法は自己判断で中止・減量しないことが重要です。特にインスリンを十分に分泌できない状態にある場合、注射を急に中断すると、著しい高血糖や糖尿病性ケトアシドーシスといった、命に関わる状態に陥ることがあります。体調不良で食事がとれないときも、自己判断で注射をやめず、必ず主治医の指示を確認してください。

知っておきたい公的制度

インスリン療法が長期になるほど、活用できる公的制度を知っておくことが重要です。申請しなければ受け取れない制度もあるため、早めに把握しておきましょう。

■ 高額療養費制度

1か月の医療費が一定の上限額を超えた場合、超過分を後から払い戻してもらえる制度です。上限額は年収によって異なり、たとえば年収約370〜770万円の方であれば、ひと月あたり80,100円+(医療費−267,000円)×1%が上限の目安です。インスリン療法単体の外来治療で上限を超えるケースは多くありませんが、教育入院や合併症治療が加わった場合には有効です。申請は加入している健康保険の窓口(協会けんぽ・健康保険組合・市区町村の国民健康保険担当窓口)で行います。なお、あらかじめ「限度額適用認定証」を医療機関の窓口に提示すれば、はじめから自己負担限度額までの支払いで済み、いったん高額を立て替える必要がなくなります。マイナ保険証を利用する場合は、事前申請も認定証の提示も不要で自動的に同じ取り扱いとなり、高額療養費の事後申請自体も不要です。また、高額療養費の自己負担限度額は2026年8月から段階的に引き上げられることが決まっています。年収約370〜770万円の区分では、上限額の計算の基礎となる定額部分が80,100円から85,800円に引き上げられるほか、新たに年間(8月〜翌年7月)の上限額(この区分で約53万円)も設けられます。さらに2027年8月にも追加の見直しが予定されているため、長期の通院や入院・手術が見込まれる場合は、受診時点での最新の上限額を保険者の窓口で確認しておくと安心です。

■ 医療費控除

1年間に支払った医療費が10万円(総所得金額等が200万円未満の方は総所得金額等の5%)を超えた場合、確定申告によって所得税・住民税が軽減される制度です。インスリン製剤や注射針などの費用はもちろん、通院のための公共交通機関の交通費も対象になります。生計を一にする配偶者や親族の医療費を合算して申告できるため、領収書は1か所にまとめておくと安心です。申請は住所地を管轄する税務署で行います。

配信元: Medical DOC

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