費用を抑えるためにできること
治療は長期間続くことが多いため、日々の工夫で自己負担を軽減できます。代表的な方法を3つ紹介します。
■ 後発品(ジェネリック医薬品)を検討する
処方薬剤には後発品もあり、先発品と同じ有効成分で同等の効果が認められていることが多く、薬価が安く設定されている場合があります。処方時に「ジェネリックへの変更はできますか」と確認してみるとよいでしょう。
■ 早めに難病医療費助成制度の申請を検討する
中等症以上と診断された場合はもちろん、軽症であっても医療費総額が一定額を超える月が続く場合は助成の対象になることがあります。診断を受けたら早めに難病指定医(していなんびょういしていい)に相談し、申請の要否を確認することが大切です。
■ 検査の頻度を主治医と相談する
寛解が長く続いている場合、大腸内視鏡検査などの頻度を見直せることがあります。自己判断で通院や検査を減らすのではなく、主治医と相談しながら無理のない範囲で調整しましょう。
知っておきたい公的制度
■ 難病医療費助成制度(なんびょういりょうひじょせいせいど)
潰瘍性大腸炎は国の指定難病97番にあたり、重症度分類で一定以上の病状と診断されると、都道府県・指定都市に申請して「医療受給者証」の交付を受けることができます。医療受給者証があると、医療費の自己負担割合が2割に軽減されるうえ、所得区分に応じた月額の自己負担上限額が設定され、上限額を超えた分の医療費は支払う必要がなくなります。たとえば医療費総額(10割)が10,000円の月なら、通常の3割負担で自己負担3,000円のところ、医療受給者証があれば2割負担の2,000円で済みます(所得区分の上限額の方が低い場合はそちらが適用されます)。
■ 生活保護世帯・一般的な自己負担上限額(月額):0円
■ 低所得I(市区町村民税非課税・本人年収80万円以下等)
・一般的な自己負担上限額(月額):2,500円
■ 低所得II(市区町村民税非課税)
・一般的な自己負担上限額(月額):5,000円
■ 一般所得I(市区町村民税課税〜課税所得7.1万円未満)
・一般的な自己負担上限額(月額):10,000円
■ 一般所得II(課税所得7.1万円以上25.1万円未満)
・一般的な自己負担上限額(月額):20,000円
■ 上位所得(課税所得25.1万円以上)
・一般的な自己負担上限額(月額):30,000円
※上記はあくまで目安です。受診する医療機関や検査内容・投薬内容により異なります。
軽症で重症度分類を満たさない場合も、医療費総額(10割)が33,330円を超える月が申請前12か月間に3回以上あれば「軽症高額該当(けいしょうこうがくがいとう)」として助成の対象になることがあります。申請窓口はお住まいの都道府県・指定都市の担当窓口(保健所等)です。難病指定医が作成した診断書が必要なため、まずは主治医に相談しましょう。
■ 高額療養費制度(こうがくりょうようひせいど)
難病医療費助成の申請前や、軽症で助成の対象外となっている方は、加入している健康保険の高額療養費制度も利用できます。2026年8月からは上限額が段階的に引き上げられ、年収約370万〜約770万円の方は月85,800円+医療費の1%(現行80,100円+1%)、住民税非課税世帯は月36,900円(現行35,400円)に変わるほか、年間の自己負担に上限を設ける「年間上限」も新設されます。
マイナンバーカード(マイナ保険証)でオンライン資格確認をすると、自動で自己負担限度額が適用されるため、高額療養費の申請は原則不要で、窓口での支払いが自己負担限度額までに抑えられます。
ただし、資格確認証を使用している場合は「限度額適用認定証」の取得申請が必要となります。事前に「限度額適用認定証」を取得して医療機関に提示しておくと、医療機関の窓口での支払いを最初から限度額にとどめることができます。申請窓口は、会社員の方は勤務先の健康保険組合または全国健康保険協会(協会けんぽ)、自営業・無職の方は居住地の市区町村窓口です。
■ 医療費控除(いりょうひこうじょ)
1年間(1月〜12月)に支払った医療費が一定額を超えた場合、確定申告をすることで所得税・住民税の一部が還付される制度です。難病医療費助成を利用した後の自己負担分や、通院にかかった交通費も対象になることがあります。申請窓口は、お住まいの地域を管轄する税務署です。

