イカの栄養とは?メディカルドック監修管理栄養士がタコとの違いや食べ続ける効能、刺身・煮物など調理法による変化、注意点や効率的な摂取方法、保存法を解説します。

監修管理栄養士:
都々地尾 ゆき(管理栄養士)
介護老人保健施設で給食管理や栄養管理業務等、約10年間従事しました。その後、管理栄養士の資格を取得し、現在は同施設で栄養ケアマネジメント業務やおやつレクを担当しています。日々の食事を楽しんでいただけるよう、心を込めてサポートしています。
イカとは?

イカは軟体動物門頭足綱に属する魚介類で、世界に約450〜500種類、日本近海に約140種類あるとされています。日本ではスルメイカ、ヤリイカ、ケンサキイカ、アオリイカなど、さまざまな種類が食用として親しまれています。刺身や寿司のネタとして生で食べるほか、煮物や焼き物、揚げ物、炒め物、一夜干しなど幅広い調理法に利用され、日本の食文化に欠かせない食材の一つです。イカは高たんぱく・低脂質な食品として知られており、たんぱく質をはじめ、ビタミンB12やナイアシン、セレンなどのビタミン・ミネラルを含みます。また、魚介類に多く含まれる成分であるタウリンを含むことも特徴です。
イカに含まれる栄養素

ここでは、「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」を参考に、するめいか(生)の値を記載しています。
たんぱく質
するめいか(生)には、100gあたり17.9gのたんぱく質が含まれています。たんぱく質は、筋肉や皮膚、髪、内臓など体を構成する材料となるほか、酵素やホルモンとして代謝を調節する役割を持つ栄養素です。日本人の食事摂取基準(2025年版)では、年齢や性別に応じたたんぱく質の基準が設定されています。イカは脂質が比較的少ないため、たんぱく質を補給したい場合の食品の一つとして取り入れやすいでしょう。また、タコもたんぱく質が多く含まれていますが、種類によってはイカの方がやや多くたんぱく質を含む場合があります。まだこ(生)100gあたりには、16.1gのたんぱく質が含まれています。
ビタミンB12
ビタミンB12は水溶性ビタミンの一つで、体内ではメチルコバラミンやアデノシルコバラミンなどの補酵素として働きます。葉酸とともに正常な赤血球の形成を助けるほか、核酸の合成やアミノ酸、脂肪酸由来成分の代謝、神経機能の維持に関わる栄養素です。ビタミンB12は植物性食品にはほとんど含まれず、魚介類や肉類、卵、乳製品などの動物性食品に多く含まれています。するめいかの生には、100g当たり4.9μgのビタミンB12が含まれています。タコにもビタミンB12は含まれていますが、含有量は種類によって異なります。例えば、まだこの生に含まれる量は100g当たり1.3μgで、するめいかの生の方が多く含まれています。魚介類を食べる機会が少ない方は、イカやタコなどをほかの食品と組み合わせて取り入れるとよいでしょう。
ナイアシン
100gあたり4.0mgのナイアシンが含まれています。ナイアシンはビタミンB群に分類される水溶性ビタミンです。糖質や脂質、たんぱく質からエネルギーをつくる際に関わる補酵素として働いています。ナイアシンは魚介類や肉類、きのこ類などに含まれており、イカにも比較的多く含まれています。
セレン
セレンは、体の機能を正常に保つために必要な微量ミネラルの一つです。体内では、抗酸化酵素であるグルタチオンペルオキシダーゼの構成成分として利用されることが知られています。セレンは魚介類や肉類などに含まれており、イカもその供給源の一つです。100gあたり41μgが含まれています。
タウリン
タウリンは、アミノ酸に似た構造を持つ含硫化合物で、イカやタコ、貝類などの魚介類に多く含まれています。体内でも合成されますが、食品からも摂取できます。イカはタウリンの供給源の一つですが、日本食品標準成分表(八訂)増補2023年にはタウリンの含有量が収載されていません。また、含有量はイカやタコの種類、部位、季節、加工方法などによって異なるため、一律の数値で示すことは困難です。タウリンは体内で胆汁酸と結合し、脂質の消化・吸収を助けるなど、さまざまな生理機能に関わっています。ただし、イカを食べるだけで特定の病気の予防や改善につながるとはいえないため、ほかの食品と組み合わせてバランスよく取り入れることが大切です。

