高まる「のぞみ通年全席指定」復活論とJR東海の方向性
こうしたホームや改札での混乱、そして混雑期の自由席を巡る争奪戦やトラブルを踏まえ、XではJR側が「のぞみ」の全席指定化を通年に拡大するのではないかという議論が再燃している。
現在、JR東海とJR西日本は、お盆や年末年始、ゴールデンウィークといった最繁忙期において「のぞみ」の自由席(1〜2号車)を指定席に変更し、全席指定席として運行している。これは長時間に及ぶホームの混雑を緩和し、確実にかつ快適に乗車してもらうための措置だ。
しかし、今回の番組で露出した現場の苦労を見て、SNSでは「繁忙期だけでなく通年で全席指定にするべきだ」「むしろJR東海はこの現状を見せることで通年全席指定化への布石を打っているのではないか」という考察まで飛び交っている。
「昨日のNHK『100カメ』について、GW(おそらく)の最繁忙期の窓口案内・改札案内のリアルを取材させ、敢えて係員目線でお盆の最繁忙期に国営放送(※編集部注 正確には公共放送)で見せることにJR東海の最大の宣伝効果があるように思う。もちろんこの番組のその先には『のぞみ通年全指定』があるんだろうな」
実は「のぞみ」は、2003年まで全席が指定席だった。今は混雑している時期だけ全席指定となっているが、時期によって指定席特急料金は異なり、最繁忙期には通常期より400円高くなり、閑散期は200円安くなる。さらに、JR東海は10月1日より、東海道新幹線に1編成あたり完全個室タイプの上級座席「スプリーム・クラス・キャビン」を順次導入する。東京―新大阪間の「のぞみ」で片道4万2100円からとなるこのプライベート空間の整備により、 自分の過ごしたいスタイルに合わせて席を選ぶ乗り物に変わりつつある。
自由席を巡る混乱をなくし、乗客全員にあらかじめ座席を確保させてスムーズな運行を図る「全席指定」の考え方は、時代の要請とも合致していると言えなくもない。繁忙期の混雑対策から始まった取り組みが、将来的に通年の標準スタイルへと戻っていくのか。今回の「100カメ」放送が投げかけた波紋は、これからの新幹線のあり方を再考させる大きなきっかけとなりそうだ。

