朝ドラ「風、薫る」第99回(8月13日放送)【振り返り・解説】
第99回では、吾郎からの求婚を断った直美が、りんから背中を押され、家族への思いと自分の人生に向き合った。一方、りんをめぐり、横沢とシマケンがそれぞれの思いをぶつけ合い、シマケンは自らの力不足を認めながら、小説に人生を懸ける覚悟を示した。直美とりん、2人の恋と人生の選択が大きく動いた。
【以下、ネタバレ】
求婚を断られた吾郎は、直美に引き続き土曜に会ってほしいと頼むが、田之上屋に直美は来ない。居合わせたシマケンは約束すらできず、たたずむだけ。先にシマケンが店を出ると、入れ違うようにりんが通りかかり、店主の丸山忠蔵(若林時英)が声をかけた。丸山の「りんさん」という言葉に、吾郎は「りんさんですか!?」と立ち上がり、直美からずっと話を聞いていたと伝える。りんは、直美は今日は休みだと伝えると、吾郎は「やっぱり…すっぽかされたようです」と落胆した。
りんは「もしかしてマッチを魔法だって、小川さんが?」と気づく。「ああ、はい、大家さん、そんなこと話したんですか?」。吾郎は「最後に…恋敵にお会いできてよかった」と苦笑いし、直美に結婚を申し込んだものの、断られたと明かした。「りんさんのうちが本当に好きなようで」という吾郎の言葉に、りんは直美の気持ちを察し、小川に次の休みを尋ねた。
りんは事務所で直美と2人になると、どうして吾郎と結婚しないのか尋ねた。「もしかして、私たちのため? 環の2人目のお母さんだから? だったらそれは気にしないで。本当にありがたいけど」。直美は「違う」と返し、「私があの家が好きだから。ずっと一緒にいたいの」と訴えた。直美はずっと欲しかった家族を手放すのが怖かった。りんは「お嫁に行ったって、家族なのは変わらないよ」と説得。「再来週の土曜、小川さん待ってるって」と伝えた。直美もりんにシマケンのことを尋ねた。
ある雨の日、意を決してりんを訪ねてきたシマケンが、横沢と一ノ瀬家の前で鉢合わせた。「私はあなたより、りんさんを幸せにすることができます。りんさんの家族も丸ごと養うことができる」と宣言する横沢に、シマケンは「そう思います」と返し、「僕がりんさんを幸せにすると言えない。だけど…ほかの誰かといるのも嫌なんです! 嫌だ!」と続けた。
2人の声が聞こえたりんは縁側に出る。横沢は、赤痢の防疫のときも怖がることなく凛として立派だったと語る。シマケンは「そうかなぁ」とつぶやき、「りんさんだって、きっと怖かったんじゃないですか? 新潟に行くときだって、環ちゃんと離れるのが本当に環ちゃんにとっていいのか。きっと辛くてさみしくて、それでも環ちゃんのお母さんだから。だから、行ったんです。モヤモヤしながら進んで、それでも必死に立ち上がって笑ってみせるのが、りんさんなんです。初めから立派な人みたいに言うな!」と訴えた。横沢は「そんなりんさんに、島田くんは花を持ってくるだけですか?」と反論。玄関が開くと、りんが傘を持って立っていた。「やっぱり面白い人だなぁ。わざわざ、真っ当な道を外れるとは」。りんの気持ちを察した横沢は、ずぶ濡れのシマケンの方へ行くようりんを促し、去っていった。りんはびしょびしょのシマケンに駆け寄り、傘をさした。
シマケンが言った。「りんさん、横沢さんの言うとおりだ。身勝手で情けない…。あれも、これも望むだけで…力がない。これで最後のつもりで書評もやめて、退路を断って、小説の執筆に全力を注ぐ。だから…」。りんは「待ちます」とニコッと笑い、シマケンが持っていた花束を受け取った。

