【2026年8月のおすすめ展覧会5選】華麗なる王妃のスタイルから、東アジアのやきもの、琉球の民藝まで。この夏、東京と近郊で出会う美術と工芸。

やきもので巡る東アジア、名品100件の旅|根津美術館

重要文化財《五彩宝相華文瓶》 景徳鎮窯 中国・明時代 16世紀 根津美術館蔵

やきものは、食器や貯蔵具として人々の生活に寄り添いながら、実用を超えた美へと展開してきました。そうした歴史を東アジアという広い視野からたどる展覧会『やきもの名品紀行-中国・日本・朝鮮半島-』が、東京・南青山の根津美術館で開催されます。2,300件を超える同館所蔵品から、名品約100件を選りすぐった内容です。

1万年以上の歴史を誇る中国は、唐三彩や青磁、白磁、青花といった革新的な技法を生み出し、世界のやきもの文化をリードしてきました。赤と緑の絵の具に金彩で牡丹文を加えた《五彩宝相華文瓶》は、堂々とした下膨れの姿が珍しい一点です。

日本のやきものは、中国・朝鮮半島の技術を土台に17世紀以降飛躍的な発展を遂げ、素朴な土師器から華やかな磁器まで多様な様式が育まれました。琳派の画家・尾形光琳の弟の乾山による《銹絵染付金彩絵替土器皿》は、鉄・呉須・金で四季の自然を描いた、京都の土器皿です。

朝鮮半島のやきものには、清らかさと実用性を尊ぶ感性が反映されています。優雅な高麗青磁や力強い粉青、質朴な白磁などがあるなかで注目は『粉青象嵌牡丹文厨子』。仏像や経典を納める厨子という珍しい形の作例です。海を越え、時を越えたやきもの探訪の旅を通じて、それぞれの土地の風土が育んだ文化に触れてみてはいかがでしょうか。

重要文化財《銹絵染付金彩絵替土器皿》 京都 尾形乾山作 日本・江戸時代 18世紀 根津美術館蔵

企画展『やきもの名品紀行-中国・日本・朝鮮半島-』 根津美術館

開催期間:2026年8月15日(土)~10月12日(月・祝)
所在地:東京都港区南青山6-5-1
開館時間:10:00〜17:00 ※入館は閉館30分前まで
休館日:月曜日。ただし9月21日(月・祝)、10月12日(月・祝)は開館、9月24日(木)休館
入館料:一般1,400円、学生(大学生以上)600円 ※オンライン日時指定予約
美術館サイト:根津美術館

沖縄の風土が育んだ手仕事、柳宗悦のまなざしをたどる|日本橋髙島屋S.C.

木綿苧麻白地雲青海波菊牡丹文様紅型衣裳 19世紀 123.3×121.0cm

2019年の火災で焼失した首里城正殿の再建が予定される本年。それと時を同じくして、柳宗悦らが「民藝」の理念を確立してからちょうど100年という節目を迎えます。この記念すべき年に、日本橋髙島屋S.C.にて、『柳宗悦が出会った沖縄の美 琉球の民藝』が開かれます。

「民藝運動」を推進した宗教哲学者・柳宗悦は、同級生であった琉球王家尚家第21代当主・尚昌侯との縁をきっかけに沖縄の工芸に魅了され、1938年から4度にわたり現地を訪れて調査と蒐集を行いました。彼が出会ったのは、独自の風土から生まれた色彩豊かな染織や、力強くも大らかな陶器などの手仕事。柳はその美しさを「宝の山」と称賛し、生涯を通して讃え続けたといいます。

本展では、日本民藝館が所蔵する琉球民藝コレクションを中心に、暮らしと芸能に根ざした道具の数々を紹介。さらに、柳とともに沖縄を旅した芹沢銈介、河井寬次郎、濱田庄司ら民藝運動の作家たちが、沖縄から学び制作した作品もあわせて展示されます。生活の道具と表現文化が一体となって育まれた、琉球の風物の豊かさに触れられる内容です。

また、髙島屋は1934年の「現代日本民藝展覧會」をはじめ、民藝運動の初期から彼らの芸術論に賛同し、数々の「民藝展」を企画・開催してきた歴史を持ちます。会期中には、その伝統を受け継ぐかたちで、全国各地の作り手による品々が集う展示・即売「民藝展」も催事会場にて開催。鑑賞するだけでなく、民藝の品々を実際に手に取り、購入できるのは、デパートならではの企画といえるでしょう。

※【大阪会場】大阪髙島屋 7階グランドホール 会期:2026年9月9日(水)〜9月21日(月・祝)

展示・即売「民藝展」バナー

『柳宗悦が出会った沖縄の美 琉球の民藝』 日本橋髙島屋S.C. 本館 8階ホール

開催期間:2026年8月26日(水)~9月6日(日)
所在地:東京都中央区日本橋2-4-1
開館時間:10:30〜19:00(19:30閉場)※最終日は17:30まで(18:00閉場)
会期中無休
入場料:一般1,200円、大学・高校生1,000円、中学生以下無料
ホームページ:『柳宗悦が出会った沖縄の美 琉球の民藝』

配信元: イロハニアート

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