【2026年8月のおすすめ展覧会5選】華麗なる王妃のスタイルから、東アジアのやきもの、琉球の民藝まで。この夏、東京と近郊で出会う美術と工芸。

『方丈記』が現代建築に? 鴨長明の小さな庵から「生き方」を問い直す|21_21 DESIGN SIGHT

田部井美奈による庵 撮影:小川真輝

古典の随筆が、建築の展覧会になる。そう聞くと、意外に感じる方も多いかもしれません。13世紀初頭に鴨長明が記した『方丈記』は、移ろい続ける世の無常を前にした人間の生き方を綴った作品。文学作品でありながら「真の建築書」とも形容されてきたこの書物には、小さな建築「方丈庵」が記されています。

21_21 DESIGN SIGHTで開催される企画展『方丈記に学ぶ –生きるを編み直す小さな建築–』は、この方丈庵を起点に、現代の暮らしを見つめ直すものです。展覧会ディレクターを務めるのは、建築家の塚本由晴。近年頻発する災害により、安心安全や管理・監視が強まり、暮らしがより堅固な構造へと更新され続ける一方、食やエネルギーを人任せにしきった生活様式のもろさも指摘されています。塚本は、そうした暮らしを自分たちの手で編み直すきっかけとして、本展を位置づけました。

見どころは大きく2つ。まず、建築家やデザイナーなど多彩な参加者が、一丈四方(約9㎡)というスケールを手がかりに構想する、現代版「方丈庵」の数々です。江頭慎、大室佑介+川長組、小渕祐介+中村純、2m26、山口晃による5組の庵が立ち並び、実際に体験できるものから鑑賞を通じて味わうものまで、さまざまな表現が展開します。また、田部井美奈、正田智樹+竹中工務店+veigによる庵や、須田悦弘による作品も会場内の思いがけない場所にひっそりと佇みます。

そしてもうひとつが、鴨長明の庵そのものをたどる展示です。『方丈記』の記述をもとに庵を再現するとともに、時代を超えて読み継がれてきた軌跡や、「方丈」という空間に託されてきた思想に光を当てます。800年前の小さな庵をめぐる旅は、思いのほか今の暮らしと地続きであることに気づかせてくれそうです。

2m26「niwatorigoya」(2022年) 撮影:Yuki Okada

企画展『方丈記に学ぶ –生きるを編み直す小さな建築–』 21_21 DESIGN SIGHT

開催期間:2026年8月28日(金)〜2027年1月11日(月・祝)
所在地:東京都港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン
開館時間:10:00〜19:00(入場は18:30まで)
休館日:火曜日(9月22日、11月3日は開館)、11月21日〜23日、年末年始(12月27日〜1月3日)
入場料:一般1,700円、大学生800円、高校生500円、中学生以下無料
美術館サイト:21_21 DESIGN SIGHT

配信元: イロハニアート

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