●「弁護士以外は誰も助けてくれなかった」
平尾さんは警察に相談し、行政や人権に関する相談窓口にも連絡した。しかし刑事事件にはならず、民事で責任を追及するしかなかった。
「どこに連絡すればいいかわからず、いろんなところに頼りました。でも、弁護士以外は誰も助けてくれなかった」
投稿した人物を法的に特定するまでに、2年を要した。たどり着いたのは、平尾さんの「元カレ」と交際していた女性だった。
平尾さんは、アプリ運営会社への開示請求や通信会社への請求を重ね、使用された回線の契約者が女性の親族であることを突き止めた。
さらに、別の訴訟での調査嘱託によって、2つのなりすましアカウントには別々の電話番号が使われていたことが判明。弁護士会照会で、そのうち一方が女性本人の契約だったことも確認された。
●「またしてやる」その言葉で心が折れた
相手が特定された後、被告の交際相手が平尾さんのもとを訪れて謝罪し、示談を申し入れた。
平尾さんは応じるつもりだった。やっと終わる──。そう思った。
ところが翌日、被告は示談を拒否した。交際相手を通じ、平尾さんにこんな言葉が伝えられたという。
「そんなのしたら曜子さんが金儲けするだけだから、そんなんせんでも。弁護士つけてるし、いくらでも手は打ってるから無敵だから。またしてやるし、とっとと訴状を送ってこい」
被害直後から崩していた体調は、ここで一気に悪化した。自死を図った。
一命を取りとめたものの、うつ病と診断され、日中に突然眠り込んでしまう特発性過眠症も併発した。体重は20キロ近く減った。
それまで広報やモデルとしてキャリアを重ねてきたが、東京で得ていた仕事を退いた後、収入は大きく落ち込んだ。現在は勤務先の配慮で在宅勤務を続けている。

