「熱中症」は”血液検査”の何が分かるかご存じですか?対処法も医師が解説!

「熱中症」は”血液検査”の何が分かるかご存じですか?対処法も医師が解説!

重い熱中症は体全体への影響も 炎症反応と臓器ダメージの評価

重い熱中症は体全体への影響も 炎症反応と臓器ダメージの評価

重症熱中症では、極端な高体温が全身の細胞やたんぱく質を傷つけ、脱水や血圧低下により臓器への血流も減ります。その結果、腎臓、肝臓、筋肉、脳、血液を固める仕組みなど全身に障害が広がります。血液検査で臓器障害の程度を確認し、治療方針を決めます。

AST・ALT・LDH:肝機能・細胞障害の評価

AST、ALT、LDHは、肝臓や筋肉などの細胞が傷つくと血液中に増える酵素です。重症熱中症では、高体温や血流低下で肝細胞が傷つき、ASTやALTが上昇し、LDHも全身の細胞障害を反映して高くなることがあります。臓器障害は時間がたってから悪化する場合もあるため、重症では繰り返し検査します。

CK(クレアチンキナーゼ):筋肉の障害・横紋筋融解症の評価

CK(クレアチンキナーゼ)は、筋肉の細胞が傷つくと増える酵素です。激しい運動や高体温、脱水で筋肉が広範囲に傷つくとCKが大きく上昇し、横紋筋融解症を起こすことがあります。筋肉の成分が大量に血液へ流れ出ると、急性腎障害につながる場合があります。筋肉痛、脱力、茶色っぽい尿、尿量減少には注意してください。

白血球・CRP・血小板:炎症反応と凝固異常の評価

熱中症では、感染症がなくても高体温や組織障害による全身の炎症反応で、白血球やCRPが上がることがあります。ただし、感染症などでも上昇するため、「CRPが高いから熱中症」「正常だから熱中症ではない」とは判断できません。症状、暑い環境にいた状況、ほかの検査結果と合わせて評価します。最重症では血小板が減り、血液を固める仕組み(凝固系)に異常が起こることがあります。代表例がDIC(播種性血管内凝固症候群)です。全身の細い血管に血栓ができ、凝固成分が使い果たされて出血しやすくなるうえ、臓器の血流障害も重なり、多臓器不全につながる危険な状態です。

熱中症が重症化する要因は?

熱中症が重症化する要因は?

熱中症は、症状が軽く見えても実際には重症のことがあります。また、軽いめまいや頭痛から始まり、対応が遅れると高体温や脱水が進んで臓器障害に至ることもあります。異変を早く見つけ、暑い環境から離れ、冷却や医療につなげることが大切です。

対応の遅れ・高体温が続くこと

重症化を大きく左右するのは、高体温が続く時間です。高体温が長引くほど、脳、肝臓、腎臓、筋肉、血液を固める仕組みへのダメージが進みます。重症熱中症では、病院到着前からできるだけ早く冷やすことが重要です。「少し休めば治る」と我慢せず、異変を感じたら涼しい場所へ移りましょう。

高齢・持病・薬剤の影響

高齢者は暑さや、のどの渇きを感じにくく、発見が遅れがちです。心臓病、糖尿病、腎臓病などの持病がある方も、脱水や高体温の影響を受けやすい傾向があります。利尿薬や降圧薬、抗精神病薬、抗うつ薬などが体温調節や水分バランスに影響することもあります。自己判断で薬をやめず、心配であれば主治医に相談しましょう。

自力で水分を摂れない状況

嘔吐が続く、ぐったりする、意識がぼんやりする、受け答えがおかしいなど、「自分で安全に水を飲めない」状態は危険なサインです。意識がはっきりしない人に無理に飲ませると、誤嚥や窒息の恐れがあるため、飲ませず救急車を呼んでください。意識が正常でも、吐き気で飲めない、飲んでも吐く、症状が改善しない場合は点滴が必要になることがあります。

配信元: Medical DOC

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