線状降水帯の豪雨でも「千葉都市モノレール」が深夜まで乗り切れた理由 世界最長「サフェージュ式」の秘密

線状降水帯の豪雨でも「千葉都市モノレール」が深夜まで乗り切れた理由 世界最長「サフェージュ式」の秘密

8月13日午後から14日未明にかけて千葉県内を襲った線状降水帯による記録的豪雨により、JR東日本の房総各線や京成電鉄などの主要鉄道網が軒並み運休や大幅な遅延に追い込まれるなか、千葉都市モノレール(千葉市)は深夜まで臨時運行を実施し、14日朝の始発電車もほぼ定時で運行した。地上冠水や豪雨の影響を物理的に受けない「懸垂式(サフェージュ式)」特有の構造が威力を発揮した格好であり、営業距離で懸垂型世界最長の都市インフラが、災害時における地域住民の命綱として絶大な存在感を示した。

深夜まで走り抜けた“空駆ける鉄道”の底力

線状降水帯の発生によって地上道路が次々と冠水し、首都圏の交通網が寸断されたあの日、千葉の街で起きていたのは鮮烈な「逆転劇」だった。周囲の鉄道が動きを止め、帰宅困難者が駅にあふれるなか、頭上の高架を走り抜けたのが千葉都市モノレールだった。

SNS上には、帰宅を果たした市民からの感動と感謝の声が相次いで投稿された。

「モノレールのお陰で、おらはお布団で寝れましたw 千葉都市モノレール、ありがとうございます」

「千葉都市モノレールは神」

「千葉都市モノレール 昨晩も線状降水帯発生の中、夜中2時台まで走らせてくれた上、今日も房総各線が午前中運休ながら始発電車が定時で県庁前駅を出発です! 私も家に帰れそう!乗務員さんには感謝しかありません」

この報告にテレビ東京報道局で「Newsモーニングサテライト(モーサテ)」デスクを務める篠原裕明氏も14日のXで「なるほど。雨にも負けない千葉都市モノレール!よく頑張ってくれました!!」とつづり、同線の奮闘ぶりを称えた。

13日夜から14日未明にかけ、気象庁から千葉市などに大雨と土砂災害のレベル5特別警報が発令され、他路線が運転を見合わせるなか、普段は「他路線に比べて運賃が高い」「維持費がかかる」「空にぶら下がっていて少し怖い」といった軽口の対象になりがちなローカルインフラが、持ち前の防災性能を見せつける形となった。この圧巻の運行劇に、誰もが心を揺さぶられたのだ。

なぜ大雨でも止まらないのか?世界最長「サフェージュ式」の秘密

千葉都市モノレールがこれほどまでに雨や風に強い理由は、その独特な構造にある。同社が採用している「サフェージュ式」は、1957年にフランスで開発された吊り下げ型のモノレール方式だ。「サフェージュ式」は箱型の筒状になった軌道桁の内側に車輪や走行路が完全に収まるため、雨水や積雪などといった気象条件の影響をほとんど受けない特性を持つ。

同線は1988年の第1期開業以来、人身事故ゼロという高い安全性を維持し続けており、99年の全線開通によって営業距離15.2キロメートルに到達。2001年には「世界最長の懸垂型モノレール」としてギネス世界記録に正式登録されている。

この構造の強靭さは、実は今回が初めて実証されたわけではない。記録的な大雪で首都圏が混乱した2014年2月にも、周囲の交通機関が止まるなかで千葉都市モノレールだけは終電まで運行を継続した歴史を持つ。積雪や豪雨といった気象現象にも負けない高架の箱型軌道桁こそが、荒天時における圧倒的な安定性の源泉なのだ。

配信元: iza!

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