●胎動と心音がなくなっても病院に行けず
被告人質問で、まず死体遺棄事件について、弁護人が詳しく尋ねた。
被告人は、亡くなった子に「ユウナ」と名付けていた。出産したときの顔を見て決めたという。
妊娠には気づいていたが、育児ノイローゼや幻聴があり、通院せず、周囲に助けを求めることもできなかった。
法廷では、被告人には育てている子どもがいることや、「内縁の夫」からDVを受け、1人で育児をしていた時期があったことも明かされた。
それでもお腹の子は産みたいと思っていたという。栄養に気をつけ、アプリを使って胎動や心音を確認していた。
しかし、出産する1週間ほど前から胎動も心音も感じられなくなった。
被告人は、お腹の中で子どもが亡くなっているのではないかと思ったが、幻聴の影響などから病院には行けなかったという。
その後、自分の身体にもよくないと考え、一人で産んだという。
●絵本を読み聞かせることも
産んだ子が息をしていないことは、すぐにわかったが、被告人は身体をきれいに洗い、その日は一緒に寝た。
そして、無事に生まれていたら着せようと思っていた服を着せ、袋に入れ、「大好きだよ」とメッセージを書いて冷凍庫に入れた。
その後も、たまに冷凍庫から出し、絵本を読み聞かせることもあったという。
弁護人:それらの行為はなぜおこなったのですか。
被告人:(泣きながら)生きてたら、してあげたかったからです。ずっと一緒にいたくて。
弁護人:ずっと一緒にいたいというのは?
被告人:なんて答えたら…本来生まれてほしかったので、その…赤ちゃんって重みがあるじゃないですか。死んでしまったのはわかりますが、骨になっちゃったら軽くなっちゃって、ユウナを感じられないっていう…自分のエゴで…。
亡くなった子を冷凍庫に長期間入れた行為について、裁判所は厳しい評価を示すことになる。
一方で、被告人なりに子どもへの思いを抱えながら、その死を受け入れられずにいた様子もうかがえた。

