SNS発信が拓く外科医療の未来——消化器外科医5人が語る情報発信術

SNS発信が拓く外科医療の未来——消化器外科医5人が語る情報発信術

鳥取大学公式Instagram「中の人」が語る運用のコツ——目標は「怖いイメージの払拭」

鳥取大学公式Instagram「中の人」が語る運用のコツ——目標は「怖いイメージの払拭」

 

鳥取大学医学部第一外科(消化器・小児外科学)の公式Instagramは、外科系医局のアカウントとしては国内有数の規模に成長しています。現在のフォロワー数は約4万6000人。SNSマーケティング会社の調査では5万フォロワーを超える企業アカウントは全体の約10%とされており、医局アカウントとしては高い水準にあります。同科の宮谷幸造先生は、アカウント運用の経緯を紹介しました。

開設のきっかけは、同科が当初利用していたFacebookでの医局説明会開催などの告知に対する学生の認知度が低かったことだったと振り返ります。FacebookよりInstagramを利用しているという学生の実態を聞いた同科教授の藤原義之先生が、当時大学院生だった増田興我先生に相談し、2023年秋にアカウントが開設されました。

当初の目標は、外科に対する「怖い」「厳しい」といったネガティブな印象を払拭し、学生への訴求に加えて患者さんからの共感、周囲の医療機関からの紹介増加につなげることでした。反響を得やすい投稿として、縫合・結紮(けっさつ)などの技術系動画、学生・研修医が参加するハンズオンなどの教育系動画、教授回診の様子をエレクトリカルパレード風に加工・演出した日常系動画の3種類が紹介されました。一方で、患者さんの顔や個人情報の映り込みなどは禁止事項として位置づけながらも、萎縮せず「ギリギリのラインを攻めた」動画作りを心がけていたといいます。

2024年秋、運用は宮谷先生に引き継がれました。全身タイツで宮谷先生自身が出演など、引き継ぎによって前任者とは毛色の異なるユーモラスな投稿が中心になったものの、学生からは「面白い」となかなか好評。外科のネガティブなイメージの払拭には一定の手応えを感じていると、「中の人」としての肌感覚を話しました。現在はInstagramを学生など外部向け、Facebookを同門の医師への活動報告向けと使い分けており、持続可能な運用方法を模索しています。

編集部まとめ

5人の発表を通じて共通していたのは、SNSを目的化せず、学術活動やメディア掲載、実際の交流へとつなげる手段として捉える姿勢でした。フォロワー数や閲覧数といった指標を追うだけでなく、教育・交流・ブランディングという本来の目的に立ち返ることの大切さが、セッション全体を通じて浮かび上がりました。

SNSは、単に多くの人へ情報を届けるための道具ではありません。個人情報への配慮や正確な情報発信、継続できる運用体制といった関係者各自の努力が欠かせないことは大前提です。一方、有効に活用することで手術手技を学び合い、研究成果を世界へ伝え、外科の魅力を届けるなど、医療者同士の交流や教育にも結びつく可能性を秘めていることが明らかになりました。

配信元: Medical DOC

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