『みいちゃんと山田さん』(亜月ねね)【ネタバレ考察】山田さんは「本当に」死んだのか? 最終37話「山田さんとみいちゃん」で浮かび上がる「山田生存説」

『みいちゃんと山田さん』(亜月ねね)【ネタバレ考察】山田さんは「本当に」死んだのか? 最終37話「山田さんとみいちゃん」で浮かび上がる「山田生存説」

8月16日に完結を迎えた大ヒット漫画『みいちゃんと山田さん』(亜月ねね作)。最終話となる第37話「やまださんとみいちゃん」では、漫画家となった山田さんが過酷な生活の末に机に突っ伏して動かなくなり、天国のみいちゃんが迎えに来るような衝撃的なラストが描かれた。

多くの読者がこれを「山田さんの突然死によるバッドエンド」として受け止めているが、一方でネット上では「実は山田さんは生きているのではないか?」という考察も静かに広がっている。 本記事では、最終話の具体的な描写と作者・亜月ねね氏の巧みなストーリーテリングから、山田さん生存の可能性と今後の展開について考察する。

■ 31〜32歳という年齢と、倒れた直後の「救急車」

作中において、山田さんは生前のみいちゃんと同い年として描かれている。みいちゃんが殺害された2012年12月(遺体発見は翌2013年3月)から約10年が経過した2022年時点において、山田さんはまだ31歳か32歳という若さだ。

確かに、極端な拒食と過食を繰り返し、激しい体重の増減が心身に多大な負荷をかけていたことは作中でも語られている。若い女性であっても、そうした負荷から心不全などで突然命を落とすケースは現実にも存在する。

しかし、最も注目すべきは山田さんが崩れ落ちた直後の母親の行動である。 動かなくなった娘の背中を見て「死んでる……」と絶句した母だが、すぐに我に返り、救急車を呼びに部屋を飛び出している。もし発見が数日後であれば絶望的だが、倒れたまさにその瞬間に居合わせ、即座に救急処置の手配が行われているのだ。現代の救急医療において、この初動の早さであれば一命を取り留めた可能性は十分に考えられる。

■ 「失敗した」の特大ミスリードに見る、作者の叙述トリック

そして何より、読者の間で「生存説」が支持される最大の理由は、作者である亜月ねね氏の巧みなミスリードの手法にある。

最終話では、第28話で描かれていた2025年の「失敗した…」と呟く人物が、実は山田さんではなく「娘を亡くして後悔する山田さんの母親」であったという特大の叙述トリックが明かされた。読者をこれほど鮮やかに騙してみせた作者の手腕を踏まえると、ラストシーンの解釈もまた見方が変わってくる。

母が部屋を出た直後、「昔の姿に戻った山田さんが、みいちゃんが差し伸べた手を握る」という幻想的なシーンが描かれた。これを素直に読めば「天国のみいちゃんがお迎えに来て、山田さんもあの世へ旅立った」となる。 しかし、これもまた作者特有のミスリードではないだろうか。あのシーンは肉体的な「死」を意味するのではなく、生死の境を彷徨う中での「精神的な救済」や、「みいちゃんへの感情の決着(真の和解)」を表すメタファーであり、現実世界では救急車が間に合って一命を取り留めている……という解釈も十分に成り立つのである。

また山田さんの母は娘が漫画家になることは望んでおらず、一流企業へ入社することを望んでいて、山田さんが漫画家になって以降はずっと「失敗した…失敗した…」と言っていた。そのため、山田さんが生存していた世界線でも母の「失敗した…失敗した…」は成立する。

配信元: iza!

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