甲状腺の検査方法にはどんな種類がある?

超音波(エコー)検査と血液検査の概要についてご説明します。
採血検査
採血検査では遊離甲状腺ホルモンであるfT3、fT4のどちらか1つか両方を測定します(地域により甲状腺ホルモンに関する保険算定が違うため、同時測定できない場合があります)。また、甲状腺ホルモンをコントロールする甲状腺刺激ホルモン(TSH)も同時に測定します。TSH、fT4、(fT3)の値から甲状腺の疾患が疑わしければ、さらに抗体検査にすすみます。
超音波(エコー)検査
喉元に水からできたゼリーをつけて、超音波で皮膚の上から甲状腺を観察します。甲状腺自体のサイズや、内部の結節の有無をはじめ、甲状腺の血流が過剰ではないか、甲状腺のエコー上の見え方が粗くないかなどを評価します。
血液検査で甲状腺の異常はわかる?関連項目と数値の目安
血液検査を、甲状腺の「機能異常」を判断する材料にすることはできます。しかし、甲状腺のなかに結節があるかどうかの「形態異常」を血液検査のみで判断することは難しいです。このため、診察上甲状腺に異常所見を認めた場合、血液検査と超音波検査をどちらも行い、機能的な面と、形態的な面の両面から評価を行うことが一般的です。
「甲状腺検査」で見つかりやすい病気・疾患

ここではメディカルドック監修医が、「甲状腺検査」に関する症状が特徴の病気を紹介します。どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
橋本病
橋本病とは、甲状腺を攻撃する異常な免疫である「自己抗体」が体内に存在している状態を指します。橋本病にかかると、徐々に甲状腺が自分の免疫で攻撃されていきます。しかし、実際に明らかな甲状腺機能低下症になるのは4〜5人に1人未満です。遺伝的な要因が大きく、対処法はありません。甲状腺機能低下症を発症した場合、ホルモン剤の内服が必要です。甲状腺機能低下症の症状が疑われる場合は、内科や内分泌内科を受診しましょう。
バセドウ病
バセドウ病も自己抗体が関与する病気です。バセドウ病で出現するTSH受容体抗体(TRAb)という抗体は、橋本病とは異なり、甲状腺に働きかけて甲状腺ホルモンの過剰な分泌を促します。このため、バセドウ病では甲状腺機能亢進症をきたします。バセドウ病に罹患した場合、内服治療を行うか、手術や放射性ヨウ素を用いたアイソトープ治療が必要です。意図しない体重減少や、すこし動いただけで動悸がする、疲労感が強い、下痢や嘔吐などの消化器症状、原因不明のメンタル異常などがバセドウ病の発見の糸口となる場合があります。放置すると甲状腺クリーゼといって命に関わる状態になる可能性もあるため、バセドウ病が疑わしい場合、内科もしくは内分泌内科をなるべく早期に受診してください。
甲状腺がん
甲状腺がんは甲状腺に発生するがんです。腫瘍が大きくなると、甲状腺にしこりや甲状腺全体の腫れ、前頸部の腫大などを認めることがあります。甲状腺ホルモンを過剰産生する場合もあり、そうした場合は動悸、発汗過多、体重減少などの甲状腺機能亢進症状が出ることがあります。喉仏の下あたりにしこりを触れる場合や、しこりが急激に大きくなる場合は、必ず早めに内分泌内科や耳鼻科の外来を受診しましょう。

