なぜ今年は放送されない?
現時点で「金曜ロードショー」の放送ラインアップに「火垂るの墓」は含まれていない。その理由について公式な説明は確認できないものの、25年5月に日本テレビの福田博之社長は、7年間にわたって同作が放送されなかったことについて、「ほかにも放送していないジブリ作品はある。特別な理由があるわけではなく、いろいろな状況から編成判断をしている」と説明している。
つまり、「火垂るの墓」は毎年決まって放送される恒例作品というより、その時々の編成によって放送時期が決まってきた作品でもある。そう考えれば、今年放送がないことも、過去の放送実績から見れば、必ずしも異例というわけではない。
それでも、14回の放送のうち11回が8月だったことは、「夏になると『火垂るの墓』」という印象が生まれた理由を物語っている。毎年ではなくても、何度も夏にテレビで出会ってきた作品だった。
今年8月、テレビの画面に清太と節子の姿はないが、「放送されないこと」にどこかさみしさを覚えてしまうのは、すでにこの作品が私たちの心の中に“夏の原風景”として根づいている証拠なのかもしれない。

