白磁がねじれて器になる。佐藤典克さんの『うんこぐい呑』
第二会場の銀座 蔦屋書店では、本展に出展する陶芸作家・佐藤典克さんの『うんこぐい呑』が販売されます。
価格は22,000円(税込)。

実物は、白い器が螺旋状にねじれ上がったかたちで、ピンク色の台座に載り、黒い板の上に置かれています。付属する木箱には「うんこぐい呑」と墨で書かれ、ピンク色の小さな印が押されています。
ぐい呑みは「ぐいっと飲む」が由来とされる、日本の酒文化に根づいた器です。本作はうんこの形を逆さにした造形で、ユーモアと美しさを兼ね備え、眺めても使っても楽しい一品として作られています。『うんこの至宝2100』の限定コレクションとして展開してきたアイテムが、本展の会場にも並びます。
佐藤典克は白磁を基軸に、「記憶のカタチ」をテーマに制作する陶芸家です。
代表作は「縒(より)」シリーズで、線と揺らぎのなかに痕跡を宿す造形を展開しています。
本作について佐藤は、「うんこミュージアム」が提示した“価値の転倒”——本来は隠されるものが「かわいい」として開かれ、体験として共有されること——に強く惹かれ、そこにもう一つの視点として「美しさ」を重ねたと述べています。
最も純度が高く緊張感を持つ素材である白磁でこのモチーフをかたちにすることで、日常のなかで隠されてきた存在がふと美しさを帯びる瞬間を探ったとしています。さらに盃として成立させることで、手に取って使う行為のなかに笑いと違和感、そしてわずかな高揚が同時に立ち上がるよう設計したと説明しています。
楽しさの中にある感覚の揺らぎを通して、私たちの中にある価値の境界を静かに問いかける器です。
作家の工房を訪ねる、アンバサダーのERIKOさん
本展にはアンバサダーが立てられています。モデル・定住旅行家のERIKO(エリコ)さんです。
国内外の家庭に滞在しながら、現地の暮らしや文化を発信してきており、『KOGEism 2026』では作家の工房を訪ね、作品の背景にある暮らしや価値観を独自の視点で取材・発信しています。
工芸は、作られた場所の気候や生活と切り離せないもの。
「家庭に滞在する」という取材スタイルを続けてきた人が工房に入るというのは、この展覧会にとってかなり相性のいい人選なのではないでしょうか。会期前や会期中の発信も、あわせて追いかけてみたいですね。
