マルジェラのファッションデザインは、新しい女性像を示した
ファッション界が極端な美しさばかりを追求していた時代、マルジェラは「女性は常に完璧なわけではない」と考え、新しい女性像を提示しようと考えました。ときにはモデルの顔を隠したり、少し不格好ともいえる状態のままランウェイに送り出すこともあったそうです。
1997年 メゾン・マルタン・マルジェラ ホワイトのドレスと赤いコート、1997-98年冬コレクション 2, Public domain, via Wikimedia Commons.
その姿勢を象徴するのが、年齢を重ねた女性たちをモデルに起用した「セブン・ウィメン」コレクションです。既存の枠組みにとらわれず、ありのままのリアルな個性を肯定するアプローチは、多くの人々に気づきを与えたことでしょう。
劇中で、ブティック・ジャナのオーナーであるアルダ・ファリネッラ氏が「見た目に不安を抱えがちな多くの女性をマルジェラはデザインで変え、自信を持たせた」と熱弁するシーンがあります。「服が人を作るのではなく、人が服を作る」というメゾンの哲学。それこそが、彼らの「型破り」がただの奇抜さで終わらず、今なお人々に愛され続ける理由なのかもしれません。
参考
・メンナ・ラウラ・メイール 監督『We Margiela マルジェラと私たち』(2019)
・ライナー・ホルツェマー 監督『マルジェラが語る"マルタン・マルジェラ"』(2021)
・成実 弘至 著(2007)『20世紀ファッションの文化史 時代をつくった10人』河出書房新社
・キャリー・ブラックマン 著(2020)『ウィメンズウェア100年史』トゥーヴァージンズ
・メゾン マルジェラについて
・「タビ」のストーリー
