Netflixにとっても「GTA6」は強力なゲーム事業アピール
一方、Netflix側にも大きなメリットがある。
Netflixは近年、ゲーム事業を「映像作品に付随するおまけ」から、サービスそのものの新しい柱へと育てようとしてきた。
2025年にはテレビでNetflixのゲームを遊べる機能を本格展開。スマートフォンをコントローラーとして使い、テレビ画面でゲームをプレイできる仕組みを導入している。
さらにNetflixは現在、テレビやPCでゲームをストリーミングする機能をベータ版として提供している。
そこに『GTA6』という、現在のゲーム業界でもっとも注目を集めるタイトルの名前が加わる。
ゲームファンに対して、「Netflixはゲームにも本気だ」とアピールする効果は極めて大きい。
しかも、今回Netflixが独占するのはゲームそのものではなく「映像」だ。ゲームを販売するよりもハードルが低く、Netflixの本業である映像配信との親和性も高い。いわばNetflixが、ゲーム業界への入り口として『GTA6』を使っているとも考えられる。
ただしNetflixは「ゲーム開発」からは後退している
ここには一見すると矛盾もある。
Netflixはゲーム事業を拡大している一方で、ゲームスタジオの整理も進めているからだ。
直近では『Oxenfree』などで知られるNight School Studioと、フィンランドのMoonloot Gamesの閉鎖が報じられた。Netflixはゲーム部門の人員削減も進め、今後はキッズ、パーティー、ナラティブ、メインストリームという4分野に重点を置く方針だという。
つまりNetflixは、自社で大量のAAAゲームを開発することよりも、外部の強力なIPやゲームコンテンツを自社サービスに取り込む方向へ軸足を移している可能性がある。
この点で、ロックスターとの関係は非常に興味深い。
Netflixが『GTA』や『レッド・デッド・リデンプション』といった巨大IPを取り込めれば、自社で数百人規模の開発チームを抱えなくても、ゲームサービスの魅力を高めることができるからだ。

